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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等

金型に使われる材料(鋼材)

 

 

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「鉄」「鋼」「鋳鉄」の違い

 

金型に使われる材料の話をする前に、「鉄」「鋼」「鋳鉄」の違いを理解しましょう。

 

その違いは、炭素含有量の違いです。

 

鉄(純鉄) 炭素が非常に少ない 0.0218%以下
鋼(スチール)

炭素が2%以下
・低炭素鋼(炭素含有量が約0.3%以下)
・中炭素鋼(炭素含有量が約0.3 - 0.765%)
・高炭素鋼(炭素含有量が約0.765%以上)
 の3種類に分類される

鋳鉄 炭素が2%以上

 

炭素が含まれる量によって金属の強度や硬度などの機械的特性が異なります。

 

炭素が多いと材料は硬くなりますが、強さが落ちます。硬くて脆いということです。一方、炭素が少ないと粘り強さが材料に出てきますが柔らかくなります。

 

鋼の使われる用途は多く、強さと粘り強さを持つことから代表的な製品として日本刀があります。
また、自動車部品ではクランクシャフト、タービンケースなどに使われています。

 

鋳鉄は硬くてもろいです。鋳造という製造方法で作られます。「いもの」と言われているのがこれにあたります。自動車ですとエンジンブロック、マンホールのフタや鋳鉄製のバルブなどに使われています。

 

金型に使われる材料(鋼材)

 

プラスチック用金型に使われる金型材料は「鋼(スチール)」です。

 

鋼(スチール)は、

 

・高い弾性を持つ
・高い靭性を持つ
・動的強度に優れる
・熱が伝わりやすい

 

といった特徴があり、金型材料としてはとても適しています。

 

そして、炭素の他に、

 

・クロム(Cr)
・モリブデン(Mo)
・タングステン(W)
・バナジウム(V)

 

等の金属元素を添加して特性を改善したものを 合金工具鋼 といいます。

 

プラスチック用金型材料は主に以下のような鋼や合金工具鋼が使用されます。

 

アズロールド鋼  SC系、SCM系
プリーハードン鋼 SC、SCM、SCM改良、SUS系、SKD61改良
焼入れ、焼戻し鋼 SKD11改良、SUS系
時効処理鋼 マルエージング鋼、非磁性鋼、SUS系

 

 

金型製作を依頼する場合、どの材料を使うのか指定する必要があります。

 

・耐久性
・腐食性
・摩耗性
・金型コスト

 

等を考慮して金型材料を選定します。

 

成形する材料によって選定する鋼材を使い分けることもあります。以下はミスミが推奨する鋼材となります。

  樹脂種類 成形品の例 樹脂に求める特性 鋼材に求める特性 推奨鋼種
熱可塑性樹脂 PP ABS バンパーOA筺体 耐衝撃性 しぼ加工性 S50CSCM440
PS PMMA ABS 照明器具雑貨化粧品容器 意匠性

しぼ加工性
鏡面仕上性

SKD61プリハードン鋼
POM PA 歯車軸受 耐磨耗性 耐磨耗性 SKD61プリハードン鋼
PC PMMA レンズ導光体 透明性光透過性 鏡面仕上性 SUS420J2析出硬化型鋼
PC PMMA CDディスクDVDディスク 光透過性光複屈折性 鏡面仕上性耐食性 SUS420J2
PVC 雨樋パイプ 難熱性 耐食性 SUS
難熱ABS TVキャビネット家電部品 難熱性 耐食性 SUS420J2プリハードン鋼
PBT-GFPA-GF カメラ筺体電装部品 耐性 耐磨耗性 プリハードン鋼SKD11
磁性粉入りPA プリンタローラーセンサー部品 成形性磁気特性 非磁性耐磨耗性 非磁性鋼
Mg成形

パソコン筺体
携帯電話筺体

耐性軽量 耐熱性耐磨耗性 非磁性鋼
熱硬化性樹脂 フェノール樹脂メラミン樹脂 食器灰皿 耐熱性 耐磨耗性 プリハードン鋼SKD11
フェノール樹脂不飽和ポリエステル スイッチコネクタ 耐熱性難熱性 耐磨耗性耐食性 SUS420J2SKD11
エポキシ樹脂 IC封止トランジスタ 電気絶縁性 耐磨耗性耐食性 SUS420J2SKD11

 

※ミスミホームページより

 

モールドベースと入れ子について

 

金型は成形品に合わせて 「大きさ」 「形状」 が決まってきますが、ある程度規格化された部品を使います。
規格化された部品のことを モールドベース (モールド:金型+ベース:基礎)と呼びます。

 

市販されているモールドベースを使うことで、金型製作期間を短くしたり金型費用を下げたりすることができます。 金型の「入れ子」部分以外はモールドベースを使うのが一般的です。従って、一般的には高価な金型材料は、「入れ子」 のみに利用されます。

 

 

 

プラスチック金型用鋼材ブランド

 

プラスチック金型用鋼材は様々なメーカーから提供されており、独自ブランドで製造販売しています。同じ規格の鋼材であっても特性や熱処理方法が異なります。

 

「プレハードン鋼」 「焼入れ焼戻し鋼」が金型のキャビティーやコアに良く利用される鋼材です。もちろんステンレス鋼も利用されますが、硬い鋼材となるため、耐久性や耐食性が求められる金型に使われるようです。

 

SC や SK SUS ではじまるものがJIS規格の呼び方となります。各種鋼材メーカーはそれに対応する商品名で展開しています。

 

 

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