HOME 初めての方へ ものづくりウェブとは MONO塾 お問い合わせ

機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等

金型の納期を早くするには

製品設計に携わると分かりますが、そのスケジュールはタイトなことが多く、しわ寄せが金型製作期間に及ぶこともしばしばです。

 

限られた期間でスムーズに金型を完成させるためにも、遅延の要因となることを前もって把握しておき、遅延を回避できるように先手を打っておくことが大切です。

 

金型納期の遅れの要因は、大きく2つに別れると思います。
それは「依頼者側の要因」と「金型業者側の要因」です。

 

依頼者側要因

 

・設計変更の発生
  設計変更が発生する可能性が高い場合は、前もって金型業者へ伝えておきます。
  金型業者も変更の可能性を考慮して仕事を進めることができるため、突発的な変更よりも対応が
  スムーズに行えます。
  また、金型改造予測を盛込んだ金型設計としておくことで、後の追加費用の低減にも繋がります。

 

・設計ミス
  人が行っている以上、設計ミスを完全に無くすことは不可能です。
  但し、設計ミスの頻度を下げることは可能でしょう。
  設計完了時のチェックリスト等でチェックした後に金型業者へ出図するように心がけましょう。

 

・連絡ミスによる遅延
  連絡ミスはどうしても発生します。
  金型業者とのやり取りは時系列でファイリングして保管しておくのが良いでしょう。

 

・図面への記入漏れ
  図面への記入漏れがあると、金型業者とのやり取りが増加します。
  また、読みにくい図面はトラブルの原因です。設計者にとって図面は仕事の成果物です。
  品質の良い図面を作成することを心がけましょう。

 

・出図の遅れ
  正式な図面の出図や購買部からの正式な発注が完了して金型製作がスタートします。
  製品の仕様が中々確定できなかったり、様々な要因で図面が出せずに遅延になることも多いでしょう。

 

 

金型業者要因

 

・成形不良
・組み立て調整不良
・寸法不良
・鋼材納入遅延
・加工ミス

 

 

金型業者要因はどうにもなりませんが、依頼者側の要因は対応次第では削減することが可能です。
同じ失敗を繰り返さないよう、ノウハウを社内で蓄積して社内で共有していくことが大切となるでしょう。

 

金型納期を短縮させるためには、遅延の要因削除することはもちろんですが、
下記の方法で短縮することも可能です。

 

・抜き勾配の指定
・3Dデータの提出
・SE検討図の提出
・先行手配データの提出

 

 

抜き勾配の指定

抜き勾配は金型業者任せにすることもありますが、製品の仕様上、製品設計者が指定しなければならない部分もあります。希望する抜き勾配の情報を製品図面等に付加しておくことで、金型業者とのやり取りの回数も低減できるでしょう。

 

3Dデータの提出

近年、3次元CADの普及に伴い、製品設計のみならず金型設計においても3次元CADが使用されております。3Dデータを金型業者へ渡すことで、金型業者は製品設計者が作った3次元データを流用でき、金型データの作成工数を削減することが可能です。

 SE検討図の提出

SEとは「Simultaneous Engineering」の略で「同時併行的検討」のことです。
正式図面の出図前に金型業者へ金型要件を検討するための製品図面を先に提出することで納期の短縮が図れます。
そして製品設計の途中段階から金型業者と同時併行で検討を進めていくことでより納期の短縮が図れます。

 

先行手配データの提出

私が納期を短縮するために主に行っていたことは先行手配です。
先行手配とは正式な発注・出図を待たずに先に金型業者に仕事を進めてもらうための情報を出していくことです。下図は一般的な金型製作プロセスとなります。

 

 

通常は正式発注・正式図面が出図された後に金型業者は鋼材の手配や金型設計に入ります。
当然、仕事が来るか来ないか分からない状態で金型材料の手配や設計を進めることはできません。

 

しかし、お互いの信頼関係の元で正式発注前に鋼材の先行手配や金型設計を進めてもらうことも可能です。これが最も納期を短縮できるやり方となると思います。
(※納期短縮ではなく、これが一般的なやり方となっているかもしれませんが・・・)

 

但し、先行手配を行うためには注意が必要です。

 

まず、第一に外形寸法が変更ないことです。
製品の大きさが変化すれば金型サイズも当然変化します。
変更がないということが確実でなければ先行手配はできません。

 

また同じように型構造に変更がないことも前提となります。
製品の仕様が変化して、パーティングラインが変化すると鋼材のサイズも変化する可能性があります。

 

従って、製品の仕様の変化が明確で、鋼材のサイズが変わらないことが分かっていなければこの方法は使えません。

 

先行手配は互いの信頼関係のうえで成り立ちますので、そのことを十分に心得た上で行うようにしましょう。

 

印刷して閲覧したい方へ 『無料PDFテキスト』 のダウンロードは今すぐこちらから

機械設計の基礎知識を幅広く学べる 『eラーニング教材』 は今すぐこちらから



スポンサード リンク

無料会員向けテキスト


関連記事

カテゴリーメニュー



スポンサード リンク