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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等

プラスチックの基本的な性質

人工的な材料であるプラスチックにはいろいろな性質が備わっています。ここではその一部を見ていきます。

 

靭性(じんせい)

プラスチックは割れにくい、壊れにくいという性質を持っています。これを靭性といいます。この靭性は分子の間に働く分子間力の強さが原因となっています。

 

しかし、ものによってはさらに高い靭性が求められる場合が少なくなく、靭性を高める工夫もされています。ゴムの粒子を混ぜることによってプラスチックの靭性を高めることができます。これはゴムの粒子が変形することによって応力を分散させ、亀裂の拡大を抑止するからです。

 

また、ガラス繊維や炭素繊維が引っ張り力に強いという性質を利用して、これらの材料をプラスチックに配合することでプラスチックを強化することができます。「もっと強度が欲しい・・・」というときにこれら強化材料を加えた樹脂を適用することがあります。

 

電気絶縁性

プラスチックは主に炭素と水素からなる有機化合物で、金属のように自由電子を持たないので、電気を通さない絶縁性があります。この性質を利用して電気製品のコード類の被覆として使われています。

 

一方、絶縁体同士を擦り合わせたときに、一方の物体が他方の物体から電子を奪うことによって生じる帯電という問題も引き起こします。 セルロイド製の下敷きをこすると紙などを引きつけることでおなじみです。帯電によって生じた静電気は電子部品を破壊することもあるため、なるべく静電気が起きないようにする必要があります。帯電を防止するためには、プラスチックに帯電防止剤を加えて成形することが多いです

 

透明性

プラスチックは、「結晶性樹脂」 「非晶性樹脂」 に大別されますが、その違いによって透明性に影響が出てきます。一般に結晶性のプラスチックは、結晶部と非晶部がプラスチックの内部に混在し、それぞれの屈折率が違うため光が境界で乱反射し、不透明になります。

 

非結晶性のプラスチックは屈折率が均一であるため、光が透過して透明になります。

 

透明度の高いプラスチックの例として、ポリメタクリル酸メチル(アクリルガラスとも呼ばれる) があり、ガラスに比べて軽量で加工がしやすいため、メガネのレンズに使われることが多くなっています。透明度が高く、衝撃にも強いことから、水族館の水槽にも利用されています。

 

CDやDVDに使われるポリカーボネートも、その透明性を活かしてレーザー光を精度良く読み取ることが可能になっています。

 

成形性

プラスチックの特長の一つに高い成形性が挙げられます。自由度の高い成形加工が可能です。工業製品の多くは複雑な形状のものを大量に生産する必要があります。このとき、成形性に優れたプラスチックを利用すると安価に大量の製品を生産することができます。成形には射出成型や押し出し成形などいろいろな種類があります。どれにも共通なのは金型を使って加工することです。成形の方法については後の記事で詳しく解説します。

 

耐摩耗性

物体同士が擦れあったときにそれらの表面がすり減ってしまう現象を 「摩耗」 といいます。プラスチックは長い分子状のポリマーであるため、隣の分子と多くの点で接しています。そのため、分子間力による結合が強く、分子がはぎ取られにくくなっています。プラスチックは耐摩耗性の高い材料です。

 

結晶性の熱可塑性プラスチックは、非結晶性のものに比べて耐摩耗性が高くなっています。摩耗を阻止するには、「物体同士のつながり易さ(親和性)」を下げることが必要です、そのため、機械の可動部分では異なるプラスチックの素材同士を組み合わせることが基本となっています。 機械類の歯車などは耐摩耗性を高めたプラスチックが使われています。

 

可燃性・不燃性

プラスチックは炭素と水素からできているため、高温に熱すると燃えて二酸化炭素と水を生じます。この燃えやすいという性質がプラスチックの欠点の一つです。特に燃えやすいプラスチックはポリエチレンやポリプロピレンです。一方、難燃性のものはポリ塩化ビニルやフッ素樹脂です。

 

ある物質の燃えやすさを表す指標として「酸素指数」というものが使われています。これはその物質が酸素と窒素の混合ガス中で酸素濃度が何%以上になると燃え続けるかという数値です。

 

大気中の酸素濃度は21%であるため、酸素指数21以下のプラスチックは大気中で燃え続ける可燃物になります。さきほどのポリエチレン、ポリプロピレンのほかに、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルも可燃性のプラスチックです。一方、酸素指数22以上のプラスチックは燃えにくい代表で、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネートなどです。

 

耐候性

プラスチック製の洗濯バサミを長時間屋外で使用すると、もろく壊れやすくなります。これはプラスチックが太陽光や熱、雨、風の影響を受けて劣化するからです。

 

プラスチックを屋外で使用したときの耐久性を 「耐候性」 といいます。ポリプロピレンの劣化の原因は主に太陽光に含まれる紫外線です。ポリプロピレンに紫外線が当たると、鎖を構成する炭素原子が活性化されて酸素と反応し酸化されます。このとき鎖が切れてポリエチレンはバラバラに分解されます。プラスチックの劣化を防ぐには安定剤を添加物として加えます。ポリプロピレンの劣化を防ぐ添加物は光安定剤や酸化防止剤です。

 

屋外で使用される製品を設計した場合は、耐光性試験を行います。 どのくらいで劣化するのか、劣化した場合の機能のテストなどを行います。

 

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