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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等



圧縮、引張コイルばねの計算方法

ばねに発生するねじり応力

圧縮や引張りコイルばねは、「ねじり応力」 を発生させることで 「ばね」 としての機能を働かせます。
ばねの設計は許容応力内(壊れない範囲)で使用しなければなりません。そのための応力を求める方法を記載しますが、以下の公式を用いてばねを設計するのは特殊な場合となります。

 

a) 有効径D、素線径dのコイルばねに荷重Pが掛ったとすると、ばねにはねじりモーメントPDを受けます。発生するねじり応力・τとすると下記公式で表されます。

 

 

この公式は、ばねの全周に一様なねじり応力を生じると考えた場合に使われます。
実際のばねではコイルの曲げ率とせん断力が影響してコイルの内側の応力のほうが、外側の応力より大きくなります。この影響を考慮して、一般には 「ワール」 の修正係数K を用いてつぎの修正式が用いられます。

 

 

ここでcを ばね指数 と言います。この値が大き過ぎても小さ過ぎても好ましくなく、一般に4から10の間がよいとされています。

 

b) たわみ
  コイルのたわみδは下記公式で表されます。

 

 

横弾性係数Gは、ばね材料によって異なるため設計便覧などで調べることが必要です。
また、有効巻き数Naは総巻き数Ntに対して以下の公式で算出します。

 

i.コイル両端がつぎの自由コイルに接しているとき、 
       Na=Nt-2
ii.コイル両端がつぎのコイルに接していなくて研削部の長さが3/4巻のもの
       Na= Nt-1.5
   有効巻き数は3以上取るのが一般的です。

 

c) ばね定数 ばね定数の公式は前出のF=kxより 荷重P 変位δを代入すると P=kδとなり

 

 

となります。

 

これらの公式を使用してばねを算出するのは結構特殊の場合で、現在は出来合いの製品があるので、取付の拘束状態を考え、P、δ、dより必要なばね定数の製品を選定するのが一般的です。

 

ただし引張コイルばねの場合、一般的に密着巻で成形されるため、成形後のばねの軸線方向の弾性変形が妨げられ、無荷重時にコイルを互いに密着させようとする初張力と呼ばれる力が生じます。Pに考慮する必要が有ります。初張力Piの公式を以下に示します。

 

 

τiの値は文献の参照をお願いいたしますが、D/dの値より40N/mm2から180N/mm2となります。

 

以上ばねの基礎について記述して参りましが、他のばねの計算式や詳細につきましては文献の参照をお願いいたします。

 

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