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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等


ロストワックス製法とは

ロストワックス製法 (lost wax casting)とは、ワックス(wax)を失う (lost) という意味を示しており、以下に示す工程で製品を作る製法のことです。

 

1.ワックス(ロウのこと)を削って原型を作る
2.原型の周りを鋳砂などで固める
3.ワックスを溶かして空洞を作る
4.鋳型の空洞に溶けた金属を流し込む

 

古くは仏像などの製作に利用されていましたが、現在ではさまざまな製品の製作に利用されています。 例えば、私達の身近な製品では 指輪などの 「アクセサリー」 がロストワックスで作られているものがあります。

 

 

 

指輪の原型となる材料は 「ワックス」 なので簡単に削ることができます。専用の工具を使って手作業でワックスを削り原型を作ります。現在では3DCADやCGなどパソコンでデザインしたものを、3Dプリンターを用いて原型を作成することもできます。

 

原型の周りを石膏で固めて、ワックスを溶かすと空洞ができます。
そして、空洞に金属を流し込み指輪を作ります。

 

 

 

ロストワックス製法は、鋳造の一種であり、鋳造よりも複雑で寸法精度の高い形状を作ることができるため精密鋳造とも言われます。

 

大量生産される製品の場合、原型を作るための 「金型」 が必要となります。金型は金属の型であるため、工作機械で削って作成します。ワックスを作る金型であるため、高い強度を必要とするダイカスト金型と比較して安価に製作できます。

 

1.金型にワックスを圧入して、「原型」 を作成します。

 

2.原型ができたら、「湯道」 と呼ばれる金属が流れる通路に、原型を複数つなぎ合わせます。これは「ツリー」と呼ばれています。

 

 

3.ツリーにセラミックをコーティングします。コーティングは 5、6回繰り返して行い、厚みをもたせ鋳型を作ります。

 

 

4.鋳型を高圧の蒸気で熱して、ワックスを溶かし、鋳型に空洞をつくります。

 

 

5.鋳型を焼成して固めます。(焼成とは焼成炉という窯(かま)でセラミック等を加熱処理して、粒子を接着することです。別名、焼き締めや焼結ともいいます。)

 

 

6.鋳型に溶かした金属を流し込みます。
  金属が固化した後に、鋳型を壊して製品を取り出します。

 

 

 

7.製品と湯道を切り離します。

 

<参考動画>

 

以上のようにして作ることができるロストワックスは、さまざまなメリットがあります。

 

表面が綺麗

きれいな表面の製品が作れるため外観部品に利用できます。

 

寸法精度が高い

精度の高い製品が作れるため機械加工のコストを下げることができます。

 

さまざまな材質のものが作れる

アルミ合金からステンレス鋼までさまざまな材質のものが作れます。

 

・ ステンレス鋼
・ 炭素鋼
・ アルミ合金
・ 銅合金
・ 特殊鋼
  など

 

複数な形状が作れる

複雑な形状が作れるため、これまで複数の部品をボルトや溶接などにより結合して製作していた製品を一体化することができます。これにより強度アップやコストダウンが見込めます。

 

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