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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等


2.金型の予算について

予算はあいまいにせず、明確な金額を決めることが大切です。

 

一番良くないのが「200万〜300万円くらいで、良い金型を製作して欲しい」
などという予算の決め方です。

 

 

もちろん、金型を初めて製作する場合は、はっきりとした予算はなかなか決まらないと思います。(過去に金型を製作した実績がある場合は、類似製品の金型費用を参考に予算を決定します。)

 

 

ですが、
上記のような予算の伝え方ですと、金型業者は、予算の上限額に合わせてくる可能性があり、金型のコストダウンになりません。金型業者もいくらの予算に対する提案をするべきかが決まらず、最終的な打合せの段階でお客様と金型業者の間での意見や提案のズレが出てきてしまいます。

 

 

ですので、予算の決め方は、
「予算は、いくらです。この予算で、可能な限り希望を取り入れた最高の金型を作ってください」
と伝えて下さい。

 

 

その上で金型業者からの提案を受けるようにします。満足する希望が得られない場合は金型の仕様を変更したり、それでも不可能な場合に予算を修正します。

 

 

明確な予算を伝えることは、後で後悔しないための重要なポイントになります。

 

 

ただ、金型の場合は価格の相場が全く分からないものです。

 

・製品形状
・製品サイズ
・製品材質
・製品個数
・要求精度
・納期

 

等の条件がそろって初めて出るものだからです。

 

 

製品材質や製品ショット数により、金型の材質や後処理の費用が変わります。
また高い精度が求められる製品ですと、金型の精度も要るため費用は上がります。

 

 

金型業者に予算をお伝えすると、その予算額に余裕があったりすると、必ずその予算額に合わせた提案金額となるため注意が必要です。

 

 

古くからの付き合いのある金型業者だけで金型を製作しているとこのリスクが発生することになります。

 

 

ここで、海外の金型費用をベースに交渉される方がいらっしゃいますが、海外の相場をベースにしてはいけません。なぜなら、海外と国内では人件費や工作機械の償却費など単純に比較できない要素が多いからです。

 

 

「過去に海外で作った費用で国内でも作成したい」といっても上記の理由から金型業者さんも困り、受けてくれないところが多いと思います。

 

 

そして、納期によっても金型費用が変わる場合がありますので注意が必要です。

 

 

なぜ納期で金型費用が変わるのかというと、納期が短い場合、金型の製作を並行して進めなければならないからです。

 

 

社内で並行して進めることができる工作機械が空いていれば問題ないですが、そうでない場合、外部の協力会社へ一部を委託することになります。そこに利益が乗ってきますので結果的に金型費用の増加につながります。

 

 

従って、納期は十分あれば良い品質の金型が安く仕上がるということも覚えて頂くと良いでしょう。

 

 

以上のとおり、金型の予算はあなたのご要望内容や使用する材料などによって変化してきますの
で、まずは予算額を明確に決めて、最低限の金型知識を持って金型業者と費用を詰めて
いきましょう。

 

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