ゴムおよびFRP
ゴム
ゴムも高分子材料の一種ですが,用途や形態,材料特性からプラスチックスとは区別されて扱われています。ゴムは機械要素としてはパッキンなどで使用されています。
ゴムは引っ張った時の伸びと力が比例するフックの法則に従う「弾性体」 と 完全流体の中間的な性質をもつ「粘弾性体」であります。またゴムの特徴として,数百%の伸びの範囲で弾性挙動を示すことが挙げられます。
FRP
プラスチックの機械的特性低さを改善するために,繊維により複合化し強化したプラスチックスを繊維強化プラスチックス,「FRP」といいます。最近ではFRPで作られた機体もあります。
FRPはプラスチックスの成形性や軽量性のメリットを活かしながら,機械的特性の低さを強化するために繊維を強化材として加えて作製しています。
これにより,プラスチックスの特性は残しながら,強度を高めることができるので幅広い分野で利用されています。しかし,このような複合材料は繊維と母材となるプラスチックス(マトリックス)の組み合わせ,配合の仕方などは規格化されていません。
複合材料の機械的特性は一般的に繊維と母材となるプラスチックス(マトリックス)の機械的特性から予測しなければなりません。近似的に見積もる「複合則」により機械的特性を考えることも出来ますが,繊維の配列や何層構造であるか,層間の強度や剥離などの状態によっても複合材料の強度は異なってきます。
そのため様々な理論式や実験式が提案されています。実際設計する際は有限要素法などによってシミュレーションを行う場合が多いです。
複合材料の中で研究が進み,実用化が進んでいるのはFRPですが,現在様々な複合材料が開発されています。
炭素繊維強化プラスチックス[CFRP] は強化材に炭素繊維を用いた強化プラスチックスです。炭素繊維は非常に機械的性質が高い素材です。そのため,炭素繊維強化プラスチックスは新素材として幅広い分野で利用されています。最近では自動車,航空宇宙分野でも利用されています。
また,ガラス繊維強化プラスチックス[GFRP] はガラス繊維の電気絶縁性の特性を利用して作られている複合材料です。通信用アンテナ,レーシングカー、浄化槽、バスタブ、などに利用されています。
他にも,金属基複合材料,金属間化合物基複合材料なども開発されています。これらの材料は強度の向上よりも強靭性,クリープ強度を高めるなどの目的で開発が進められています。
複合材料はそれぞれの材料特性を活かしながら作製しますが,複合化の過程で界面の制御を行わなければならないという課題もあります。
独自開発されたMONO塾の「ステップ式学習プログラム」<法人採用実績:600社以上>
カテゴリーメニュー
スポンサード リンク