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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等

半導体について

前ページまでに学んだ内容で、抵抗と電源を用いた簡単な回路の計算ができるようになりました。

 

ここからは、その他の素子(ダイオードやトランジスタなど)について学んで頂きます。そして、この章ではダイオードやトランジスタを理解するために必要な 「半導体の原理」 についてご紹介します。

 

半導体は私たちの生活の中で欠かせないものとなっています。家電製品、パソコン、メモリ、などさまざまな製品で利用されています。この半導体を理解するために、まず導体と絶縁体について解説します。

 

導体・絶縁体

 

世の中の物質は、大きく分けて 導体・絶縁体・半導体に分類することが出来ます。その違いは電気を通すことができるかどうかです。

 

 

導体

 

電気を流す、流さないということはその物質の「自由電子」によって決定されます。

 

ここからはとても小さなミクロの世界の話となります。ある物質をものすごく細かく見ると、原子で構成されていることが分かります。その原子をさらに細かく見ると、原子核電子に分けられます。実はこの電子が、電気を運んでいるのです。

 

 

金属等の導体では原子が規則正しくならんでおり、その原子の間を電子が自由に動くことができます。この電子を「自由電子」 と呼び、導体が電気を良く流す理由となっています。

 

 

絶縁体

 

絶縁体は電気を運ぶ役目を果たす自由電子がほとんどないため、電気を流すことはできません。
絶縁体の例として、ゴムやプラスチックがあります。これらの物質の利用方法として、電線にゴムを被覆して絶縁に利用されます。

 

以上をまとめますと、

 

 

となります。

 

半導体

 

それでは次に半導体について解説します。半導体は、「導体・絶縁体両方の性質をもつ物質」 です。その理由を紹介していきます。

 

まず、半導体は 「真性半導体」 と 「不純物半導体」に大別されます。

 

真性半導体

 

真性半導体 の代表例である 「シリコン」 を細かく見ると、原子が規則正しく並んでいることがわかります。

 

 

この電子達は共有結合というもので固定されており、動くことができません。しかし、このままでは自由に移動できる電子が無くほとんど電気を流しません。これが電気を通さない性質となります。

 

そこで、シリコンにあるエネルギー(光・熱・電界等)を与えます。そうすると電子が外部エネルギーによりはじき出されて、自由に動けるようになります。よって、電流が流れるようになるのです。

 

 

また、自由電子となった電子が抜けた後の場所は、正の電気を持つ「正孔(ホール)」と呼ばれるものになります。逆に、電子は負の電気を持ちます。 非常に重要な概念ですので覚えておきましょう。

 

 

不純物半導体

 

続いて 不純物半導体 について、こちらも 「シリコン」 を用いてご説明します。「不純物」、なので、シリコンに不純物を混入させます。 ここではまずP(リン)を入れてみましょう。

 

実はリンはシリコンよりも電子を1つ多く持っています。 リンを混ぜたシリコンの中では、1つ電子が余る事になります。この余った電子が自由電子となり、電気を流すことができるのです。

 

 

この場合、正の電気を持つ「正孔」 よりも 負の電気を持つ「電子」 が多いという状態となり、そのような不純物半導体を「n形半導体」と呼びます。(nはnegativeのnです)

 

次は、B(ホウ素)を不純物としてシリコンに入れてみます。ホウ素が持つ電子は、シリコンよりも1つ少ないです.。すると、電子が1つ不足した状態となり、正孔が1つできます。

 

 

この正孔は不安定であり、近くにある電子を引きつけて安定しようとします。そうすると、また電子が抜けた後の場所が正孔となります。このようなことを次々と繰り返すことによって電子の移動が起こり、電気が流れることができます。

 

 

この場合、正孔の方が電子より多いので、この不純物半導体を「p形半導体」と呼びます。

 

以上が半導体の原理となります。
次に、「p形半導体」 と 「n形半導体」 を組み合わせた 「ダイオード」 について説明します。

 

 

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