オームの法則
本ページでは、電気回路の設計に必要不可欠である、
1.オームの法則
2.素子の合成(直流回路)
3.素子の合成(交流回路)
についてご紹介します。オームの法則を理解すると、抵抗と電源を用いた簡単な回路の計算ができるようになります。
オームの法則とは
オームの法則とは、 「電流は電圧に比例する」 という法則です。1826年にゲオルグ・ジーモン・オーム氏が発見・公表したものです。オームの法則を実際の回路で考えてみます。抵抗の値は10Ω(一定)として、電流と電圧の関係をグラフで示すと下図のようになり、電流は電圧に比例します。
これを式で表すと、
例えば、回路で抵抗が10[Ω]で、電圧が5Vの時ならば、電流は0.5 [A](=500mA)となります。
オームの法則は、回路設計でよく利用されるため記憶しておくと良いでしょう。またオームの法則の覚え方・所望の値の求め方として、以下があります。
素子の合成と計算
回路には 直列接続 と 並列接続 があります。
直列接続は直線上に素子が接続され、並列接続は素子が並列に接続されています。この素子の接続方法の違いによって、電流、電圧、抵抗の計算方法が異なってきます。
素子に流れる電流の求め方
- 直列接続の場合回路のどの点においても、電源から供給される電流値は同じになります。
- 並列接続の場合電圧が一定となるので、接続されている素子によって電流値は異なります。
素子にかかる電圧の求め方
- 直列接続の場合素子の抵抗・電流に関係して異なります。
- 並列接続の場合電源と同じ電圧になります。
抵抗と電流(または電圧)が分かっている場合の電圧(または電流)の求め方
次に、下図のように、素子の抵抗が100Ωと200Ωと分かっていて、電流または電圧のどちらかが与えられた場合の電流または電圧はオームの法則を利用して、下記のように求めることができます。
- 直列接続の場合
素子R1にかかる電圧 V = 0.1A × 100Ω = 10V
素子R2にかかる電圧 V = 0.1A × 200Ω = 20V
- 並列接続の場合
素子R1に流れる電流 I = 10V ÷ 100Ω = 0.1A
素子R2に流れる電流 I = 10V ÷ 200Ω = 0.05A
抵抗の合計値の求め方
回路設計の場合、電源から供給される電流と電圧を決める必要があります。
電流と電圧が多すぎると壊れることになり、少なすぎると回路が動かない場合があります。従って、このような問題を回避するために、回路全体の抵抗の合計値を求めることになります。
回路全体の合計値の求め方は、直接接続 と 並列接続 で異なります。
- 直列接続の場合
抵抗の合計値は回路の抵抗を足し合わせる
R = R1 + R2 +R3 +…
- 並列接続の場合
接続すればするほど値が小さくなる
1/R = 1/R1 + 1/R2 + 1/R3 +
コンデンサの合成容量の求め方
コンデンサでの合成容量のルールは、抵抗とは逆となります。
- 直列接続の場合
1/C = 1/C1 + 1/C2 + 1/C3 +…
- 並列接続の場合
C = C1 + C2 +C3 +…
参考 : コンデンサの振る舞い
コンデンサは電気を蓄え、放出する働きがあります。コンデンサの大きさは、静電容量C [F](ファラド)と呼ばれるもので決まります。この静電容量が、コンデンサが電気量を蓄えることができる大きさの目安となります。
次に充電と放電ですが、単純なコンデンサ回路 (電源と、抵抗とコンデンサのみで構成されたもの) で考えてみます。この回路に流れる電流と時間の関係をグラフに表すと以下のようになります。
最初はコンデンサに電流が流れ、次第に0となり、最後は電流が流れなくなります。電流が0になるまでの現象を「過渡現象」といいます。この間にコンデンサが充電されます。また、充電されたコンデンサに抵抗をつなぐと、電流が流れます。そして、充電されていた電気が無くなると、電流は流れなくなります。
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