絶対温度ケルビンとは
熱力学を理解するためには、「温度の単位」について正しく理解しておく必要があります。
温度の単位には、
- 摂氏温度(せっしおんど) (℃)日本で使われている
- 華氏温度(かしおんど) (°F)アメリカで使われている
- 絶対温度(ぜったいおんど) (K):熱力学、物理学で使われている
の3種類があります。
日本で一般的に使われている 「摂氏温度 ℃」は、標準気圧での水が凍る温度を0度、水が沸騰する温度を100度としています。そして、水が凍る温度と沸騰する温度を100等分した温度を1度と定めています。
アメリカで使われる「華氏温度°F」は、標準気圧での水が凍る温度を32度、水が沸騰する温度を212度としています。「なんだか中途半端な数字だなー」と思いますよね。
元をたどれば「華氏温度°F」は、海水が凍る温度を0度、羊の肛門の温度を100度としています。羊の肛門の温度は風邪で発熱したときの人間の体温と同じだそうです。
以上、私たちの普段の生活では、「摂氏温度 ℃」 や 「華氏温度°F」の単位が使われます。
ですが、熱力学や物理学では「絶対温度のK(ケルビン)」が使われますのでご注意ください。
次の図は、各単位と物質の状態(固体、液体、気体)の関係を表しています。例えば、摂氏の場合、0℃で固体から液体へ、100℃で液体から気体になります。
原子や分子の動きを確認しますと、固定では所定の位置で微妙に振動しており、温度が上昇するに連れて動きが激しくなります。絶対温度0度では、動きが完全に停止しているため、熱エネルギーがゼロになります。
絶対温度0度 = 熱エネルギーがゼロ
絶対温度は0度以下にすることができず、この温度を「絶対零度」といい、単位にはケルビン(K)が使われます。
熱力学や物理学では、熱エネルギーという視点から物事を考えるため、絶対温度を使うのが都合良いわけです。
摂氏℃を絶対温度Kに換算する方法
絶対零度 を摂氏℃に換算すると -273.16℃です。
また、1K=1℃ です。従って、1Kの温度上昇は、1℃温度上昇を意味します。
上記の理由から、絶対温度Tは次の式で表すことができます。
T[K] = t [℃]+273.16
普段使っている摂氏温度℃に273.16を足せば絶対温度になります。
(例) 100℃の場合
100 [℃] + 273.16 = 373.16 [K]
現在において、絶対温度は世界的な基準温度として、SI単位で扱われています。
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