ポリプロピレン樹脂(PP)の物性・用途・特性
ポリエチレン(PE)の名称
ポリエチレンは、熱を加えるとやわらかくなる「熱可塑性樹脂」に分類される樹脂です。
一般的には、「ポリエチレン」や「ポリエチ」と呼ぶことが多いでしょう。
- 分類:熱可塑性樹脂
- 名称:ポリエチレン
- JIS記号:PE
- 英語名:polyethylene
- 呼び方:通常は、ポリエチと呼ぶことが多い
- 結晶性/非晶性:ポリエチレンは結晶性樹脂
- → 結晶化度:45〜60%(低密度)、50〜60%(直鎖状低密度)、65〜90%(高密度)
ポリエチレンとは
石油から採れたエチレンを付加重合させて作ったものがポリエチレンです。スーパーのレジ袋はポリエチレンかポリプロピレンを薄くシート状にしたものです。
ポリエチレンは結晶性なので光が通り抜けにくく、一般に不透明です。しかし、低密度ポリエチレンは、透明性が高くなります。
また、ポリエチレンのガラス転移温度はー120℃と非常に低いため、低温でもやわらかさがあり、耐寒性に優れた材料となります。
ポリエチレンの長所
- 比重が0.91〜0.96と軽量である
- 耐薬品性に優れる
- 吸水率が低いため、防水性に優れる
- 耐寒性がある
- 電気絶縁性に優れ電気を通さない
- 高周波絶縁性に優れる
- 抵コストである
ポリエチレンの短所
- 強度や剛性が低い
- 耐熱性が低く、熱によって変形しやすい
- 接着性や印刷性が悪い
ポリエチレンの種類
ポリエチレンは、低密度と高密度のポリエチレンに大別されます。
低密度ポリエチレンは、密度が低く柔らかいポリエチレンです。高密度ポリエチレンは、密度が高く剛性のあるポリエチレンであり、水道管の材料などで使われています。
ポリエチレンの物理的特性
ポリエチレンは、比重が0.91〜0.96とプラスチック中でも軽い方の樹脂です。鉄と比較すると約1/8の軽さです。比重が1より小さいため水に浮きます。また、吸水率が低く成形前の乾燥が不要です。酸素指数は18程度であり、燃えやすい特性があります。
- 比重:0.91〜0.96
- 密度(低密度PE):0.903〜0.945 g/cm3
- 密度(高密度PE):0.935〜0.966 g/cm3
- 吸水率(%): 0.01未満
- 燃焼性(UL94) :
- 燃焼性(酸素指数) :18
機械的特性
低密度ポリエチレン
最小値 |
最大値 |
平均値 |
標準偏差 |
|
---|---|---|---|---|
引張降伏応力 (MPa) | 7 |
14 |
10.25 |
2.21 |
引張弾性率(ヤング率) (MPa) | 120 |
220 |
148.33 |
27.33 |
曲げ強度 (MPa) | 5.5 |
11 |
7.79 |
1.68 |
曲げ弾性率 (MPa) | 100 |
340 |
178 |
76 |
シャルピー衝撃強度(kJ/m2) | - |
- |
- |
- |
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
最小値 |
最大値 |
平均値 |
標準偏差 |
|
---|---|---|---|---|
引張降伏応力 (MPa) | 15 |
26 |
19.14 |
3.27 |
引張弾性率(ヤング率) (MPa) | - |
- |
- |
- |
曲げ弾性率 (MPa) | 110 |
660 |
279.70 |
149.87 |
シャルピー衝撃強度(kJ/m2) | 18 |
18 |
18 |
0 |
高密度ポリエチレン(HDPE)
最小値 |
最大値 |
平均値 |
標準偏差 |
|
---|---|---|---|---|
引張降伏応力 (MPa) | 8 | 20 | 11 | 3.64 |
引張弾性率(ヤング率) (MPa) | 800 | 1200 | 996.25 | 125.39 |
曲げ強度 (MPa) | 20 | 31 | 26.31 | 2.73 |
曲げ弾性率 (MPa) | 550 | 1500 | 1153.20 | 208.93 |
シャルピー衝撃強度(kJ/m2) | 2.5 | 25 | 9.47 | 5.25 |
熱的特性
低密度ポリエチレン
最小値 |
最大値 |
平均値 |
標準偏差 |
|
---|---|---|---|---|
ビカット軟化温度 (℃) | 78 |
98 |
89.25 |
6.40 |
荷重たわみ温度 (℃) | - |
- |
- |
- |
線膨張係数:流動(×10-5/℃) | - |
- |
- |
- |
線膨張係数:直角(×10-5/℃) | - |
- |
- |
- |
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
最小値 |
最大値 |
平均値 |
標準偏差 |
|
---|---|---|---|---|
ビカット軟化温度 (℃) | 83 |
117 |
101.05 |
9.67 |
荷重たわみ温度 (℃) | - |
- |
- |
- |
線膨張係数:流動(×10-5/℃) | - |
- |
- |
- |
線膨張係数:直角(×10-5/℃) | - |
- |
- |
- |
高密度ポリエチレン(HDPE)
最小値 |
最大値 |
平均値 |
標準偏差 |
|
---|---|---|---|---|
ビカット軟化温度 (℃) | 118 |
130 |
124.90 |
3.08 |
荷重たわみ温度 (℃) | 64 |
76 |
69.5 |
4.27 |
線膨張係数:流動(×10-5/℃) | - |
- |
- |
- |
線膨張係数:直角(×10-5/℃) | - |
- |
- |
- |
[出典]
「PlaBase」:https://plabase.com
成形性
ポリエチレンの融点は125℃前後であり、成形温度は、180〜260℃程度です。
結晶性プラスチックであるため、成形後の収縮は大きく、1〜3%程度となります。低密度ポリエチレンは、結晶化度が小さいので成形収縮率も小さい。
ポリエチレンの価格
汎用樹脂に分類されるポリエチレンは、低価格です。
価格は変動しますが、kgあたり200円前後を推移しています。
ポリエチレンの用途
ポリエチレンの用途として、ポリエチレン管やポリタンク、おもちゃのブロック等がある。以前の下水道管は金属製であったが、地震発生時に管の破損がしばしば問題となり、ポリエチレン管が普及してきている。ポリエチレン管は柔軟性に優れるため、地震が発生しても十分にたわむことで割れを防止できる。
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