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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等

機械設計に必要な知識と勉強法

機械設計の種類はさまざまです。精密部品のように小さな部品の設計から工場設備のような巨大な設備設計、一品物の専用機設計から大量生産の製品設計など。しかし、必要となる知識は基本的にどれも同じです。以下基礎知識を学ぶことで、機械や製品設計を行うために必要なベースとなる知識を身につけることができます。

 

 

まず、学問的には 「機械工学の4大力学」を押さえる必要があります。

 

材料力学
機械力学
流体力学
熱力学

 

「材料力学」と「機械力学」は壊れない機械および製品を作るための知識となります。動く機械の場合、機械力学の知識は必須です。「流体力学」は、自動車のマニホールド、タービン、バルブなどのように水や空気などの流体が流れる製品の設計、「熱力学」はエンジンなど熱が発生する製品設計に必要な知識となります。

 

 

さらに、上記4大力学にプラスして

 

製図
機械要素

 

も必要な知識となります。

 

 

「製図」は設計の仕様を図にしたものです。設計に関わる様々な人が見るため、誰でも読めるように一定のルールを覚えて図面を書く必要があります。

 

 

また、機械は「機械要素」の集合体です。機械要素とは軸、軸受、ボルト、歯車などJISなどで規格のある標準的な部品や機械を構成するすべての部品を示します。これら機械要素となる部品はさまざまな製品で利用されています。

 

 

次に、設計した図面から実物を作ります。図面はできたけど実際に作れないと意味がありません。実際に作れる機械や製品を設計するためには、加工、材料の知識が必要となります。

 

 

加工
材料

 

 

「加工」には切削加工や成形加工などさまざまな加工法があります。それぞれに特徴があるため、どのような加工方法があるのか知っておく必要があります。

 

また、「材料」の選定は製品の性能を満たすために非常に重要です。大量生産の場合、安定して仕入れのできる材料を選ぶ必要があります。

 

材料にはそれぞれ特性があり、最近では軽くて丈夫な材質も多く出てきています。性能を十分に発揮できる機械や製品を作るため、使用する材料特性について専門家レベルでなくても知っておく必要があります。

 

材料の機械特性を学ぶためには、金属材料やプラスチックについて学びます。

 

金属材料
プラスチック(樹脂)

 

 

家電や自動車など大量生産される製品は、工場で生産されます。設計した製品が安定して生産できなければなりません。ここでは、組立や生産に関する知識も必要となってきます。

 

 

・組立
・生産

 

 

加工や生産については社内に専門家が通常いますので、その方たちと会話ができるレベルの知識を身につけておきましょう。

 

 

さらに、近年ではITを活用した設計が急速に進んでいます。パソコンで図面が作れるCADやシミュレーションが行えるCAEなどの道具を活用した設計が取り入れられています。

 

 

以上のように、一人前の設計者になるためには非常に多くの知識を必要とします。但し、これだけの知識を全て一度に身につける必要はありません。必要に応じて身につけていけば良いのです。

 

 

ベテラン設計者になると、これらの知識を幅広く理解しています。設計初心者はベテラン設計者の指導の元で学んでいくことになりますが、基礎知識まで教えてもらえるとは思わないことです。実際の設計現場では、教育のために十分な時間確保が中々できないものです。知識が必要になれば、まずは自分で勉強する姿勢が大切となります。

 

 

アイディアを形にする

 

そして最後にお伝えしたいことは、設計者には知識だけではなく、コミュニケーションも非常に大切になってきます。

 

 

設計の質はコミュニケーションの質である」と私は思います。

 

設計は自分ひとりだけではなく、関連部署や協力メーカーとの連携が必ず必要です。また自社で保有していない技術の場合、他社と連携してモノづくりをすることもあります。そこには必ずコミュニケーションが生まれます。技術者の方はコミュニケーションが苦手な方が多いと思いますが、これも設計者として成長していく過程で克服していきましょう。

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