荷重条件
応力解析で使用する荷重にはさまざまなタイプがあります。
荷重条件を設定する場合、実際の現象にできるだけ近い荷重条件を設定する必要があります。
荷重条件で設定するのは、次の3つです。
・荷重の種類
・荷重をかける位置(面や点など)
・荷重の方向
どの位置に、どの方向で、どのような荷重をかけるのか決定します。
荷重の種類
荷重の種類にはさまざまなタイプがあります。高校物理や材料力学などで基本を学ぶことができます。
・集中荷重
集中荷重とは、特定のポイント(点)にかける荷重のことです。この場合、指定した点における応力は無限大となるため注意が必要となります。(詳しくは特異点にて解説)
・分布荷重
分布荷重とは、物体の表面に分布して作用している荷重のことです。また、荷重が物体表面に均等に作用している荷重を 「等分布荷重」 といいます。
分布荷重には、軸受けのように不均一に荷重が負荷されるものもあります。このような荷重条件を正確に表現するためには、荷重の分布にあった入力条件を行います。解析ソフトによっては、軸受け用の荷重機能が備わっているものもあります。
・温度荷重
物体は温度が変わるとサイズが変化します。鉄道のレールのすきまは温度変化を考慮したものです。隙間がない場合、温度が上がると熱膨張によりレールは圧縮され荷重を受けます。なぜなら、サイズが大きくなれないからです。このように熱膨張により発生する荷重を温度荷重といいます。
※ 温度荷重を設定する場合、1℃温度上昇すると何ミリ伸びるのかを示す材料の線膨張係数が必要となります。
・遠心力
回転する物体には遠心力が作用します。遠心力によって、物体が破損しないか確認する場合に用いられる荷重条件です。遠心力を設定する場合には、回転中心の指定、角速度や角加速度が必要となります。
・圧力
圧力は、物体の表面に垂直に押す力です。例えば圧力鍋です。圧力鍋を加熱すると内部の圧力が上昇して力が発生します。圧力を荷重条件として設定する場合は、圧力がかかる面を指定して、面に垂直になるような荷重を設定します。
・強制変位
強制変位とは、力ではなく、形状を強制的に特定の距離移動させることで荷重をかけた状態にすることです。例えば、下図のようにはりを強制的に特定の距離を引っ張ることで内部に引張荷重をかけた状態にするような荷重のかけ方です。
荷重の方向
荷重条件を設定する場合、荷重の方向に注意します。通常は解析モデルに設定されているXYZ座標系に対して方向を決めます。これら3方向と異なる方向の場合、座標件を別に作成し、その座標系に対して荷重の方向を設定するのが一般的です。
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