特異点とは
特異点とは、例えば、コーナRがゼロとなる点でメッシュを細かくすると応力が無限大となる点のことです。
従って、応力の最大値で解析結果を評価する場合は、特異点となっていないか注意する必要があります。
特異点は以下に示すように、形状や荷重が不連続となる箇所で発生します。特異点となる箇所が評価対象とならなければ良いですが、評価対象とする場合、結果の評価方法を変更したり、解析条件を変更するなどの対策が必要となります。
主な特異点
1.コーナーRがゼロの場所
実際には、コーナーRがゼロの形状は存在しません。なぜなら、製作する過程において、工具の微小なRが形状に反映するからです。
しかし、3D-CADでモデルを作る場合、コーナーRがゼロとなる形状は容易に作られます。そのデータを用いた解析では、コーナーRがゼロとなる形状のまま解析することも多いため、結果の評価には注意が必要です。
コーナーRがゼロの点で応力集中が発生していた場合、その点における応力は正しくありません。
正しく評価するためには、実際の小さなRをつけて解析するか、応力集中係数を考慮して少し離れた位置の応力値で判断する必要があります。小さなRを付ける場合は十分に細かいメッシュを設定する必要があります。目安としてはRに対して10分割する感覚です。
2.拘束条件を設定した場所
物体を固定する場合、固定部は変位が完全にゼロとなります。変位がゼロということは実際ありえません。このような場所はメッシュを細かくすると応力が際限なく増加していきます。このような場所も特異点となります。
例えば、以下の図のような片持ち梁(ばり)の固定端は特異点となります。
完全に拘束されるため、拘束された断面は全く変形できませんが、実際は変形します。正しい応力を評価するためには実際に近い拘束条件を付ける必要があります。
参考:正しい拘束条件の付け方
3.集中荷重を負荷した場所
図のように一点集中荷重を負荷した点は応力が無限大となるため特異点となります。応力は、荷重÷面積で求めされるため、面積がゼロということは応力は無限大となります。
このような場所を正しく評価する必要がある場合は、集中荷重ではなく、分布荷重に変更する必要があります。
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