ソリッドモデルの表現方法 - CSGとBreps
立体をコンピューターで表現するための方法として、ソリッドやサーフェスなどがあります。ソリッドの場合、以下の種類の表現方法があります。
・CSG (Constructive Solid Geometry)
・B-preps (Boundary Representation)
・ボクセル (voxel)
・オクトリー (octree)
・メタボール (meta-ball)
これらはソリッドをコンピューターで表現する基本的な方法となりますが、現在の3DCADで使われているのは、CSG、B-prepsです。また、最近ではその両方が扱えるものが主流となっています。そこで、この2つの表現方法について詳しく解説します。
CSGモデル
CSGは、プリミティブと呼ばれる基本的な3次元形状の組み合わせで、視覚的に複雑な形状を表現します。扱えるプリミティブは、CADによって種類が異なりますが、立方体、直方体、球、、円柱、円錐、角錐などがあります。
これらの基本形状を積み木のごとく組み合わせることで目的の形状を作ります。例えば、直方体と円柱を組み合させることで図のような形状が作れます。
プリミティブを組み合わせることを、「ブーリアン演算」といい、その組み合わせ方には、「和」、「差」、「積」などがあります。ブーリアン演算した結果は、ツリー構造として記憶されます。
CSGのメリットとデメリット
●メリット
データが軽い
●デメリット
複雑な形状ができない
描画速度が遅い
・CSGをサポートしているCAD
SolidWorks、ICAD/SX、FreeCAD など
B-prepsモデル
B-repsモデルは、「境界表現」 とも呼ばれ、独立した複数の面で形状を表現します。
独立した面の状態では、サーフェスモデルになっています。 これらのサーフェスを縫い合わせることで、空間から切り出され、ソリッドモデルに変換されます。
どの面が縫い合わされているかの条件(位相要素情報)は、データ内部に保存されます。
B-repsは、CSGのように集合演算することはできますが、演算情報を保存せず、最終結果のみを保存します。したがって、データが軽く、複雑なモデリングに向いています。
B-repsのメリットとデメリット
●メリット
描画速度が速い
複雑な形状(自由曲面など)が得意
●デメリット
データが重い
・B-repsをサポートしているCAD
Creoなど
これらソリッドデータの表現方法の違いは、CAD間におけるデータの受け渡しに影響を及ぼします。一般的には、CSGで表現されたソリッドデータをB-repsへ変換することは容易ですが、その逆は困難となります。
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