スケッチタイプのフィーチャー利用時の注意
スケッチタイプのフィーチャーを使って形状作成する場合、次のことに注意します。
1.スケッチの形状はシンプルにすること
2.ラウンド(丸み付け)はスケッチしないこと
3.寸法の参照は無くならないものにすること
4.寸法の付け方はモデリング重視にすること
上記の基本ルールを理解せずに自由に作成すると 形はできたけど修正すると崩れてしまうモデルになってしまいます。
スケッチの形状はシンプルにすること
スケッチの形状は複雑にせず、できるだけシンプルにします。
複雑なスケッチ形状は、設計変更時の形状制御が難しくなります。また、最悪は描きなおすことになります。下図のように、2DCADで作図するのと同じ感覚で1つのフィーチャーで一気に作成してしまいがちですが、このような作成方法はあまりお勧めできません。少し手間がかかりますが、1つのフィーチャーをシンプルにして、複数の工程で作成します。
ラウンド(丸み付け)はスケッチしないこと
断面形状にラウンド(または面取り)がついている場合、先ほどと同様にスケッチ内で描いてしまいがちですが、これも良い作成方法ではありません。断面を描いてしまうと不適切な親子関係が発生する恐れがあります。
このような場合、断面にはラウンドをつけずに、ラウンドフィーチャーを使って丸み付けを行います。
寸法の参照は無くならないものにする
スケッチに寸法を入れる場合、できるだけ無くなりにくいものを参照します。
例えば、図に示す穴に寸法を入れる場合、データム平面、座標系、ベース形状の平面などを参照します。これらの形状はなくなることがありません。
しかし、下図に示すようにラウンドのエッジから参照した場合、ラウンドがなくなったり、他の形状に置き換わった際にエラーとなります。
寸法の付け方はモデリング重視にすること
寸法をどこから取るのかは非常に重要です。
2次元の図面を作成する場合、設計基準や加工基準で寸法をつけます。穴の寸法を設計基準で作成すると下図のようになります。
3次元で作成する場合、場合によっては設計基準を無視して、モデリング重視で寸法をつける場合があります。これは設計変更によってモデルが崩れないことを再優先にするためです。また、予測される変更を考慮して作ることもあります。
例えば、先ほどのサンプルモデルの場合、横の長さの変更を見込み下図のように寸法を入れます。
もし、横の長さが変わった場合、穴の位置が意図した位置を保持することができます。
また、下図の穴は常に2つの穴の中間点に位置するため、寸法に関係式を入力して位置を保つようにしています。
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