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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等


ドラフトフィーチャー(抜き勾配)の使い方

ドラフト(draft angle) とは、3Dモデルを金型に対応できるようにするためにつける勾配(こうばい)のことです。下図のように、製品の側面に傾斜をつけて、製品が金型からスムーズに取り出せるようにします。

 

 

 

ドラフトのつけ方

 

ドラフトを作成する場合、ドラフト面、ドラフト基準、抜き方向、勾配値の指定が必要です。

 

1.ドラフトをつける面を指定します。

 

 

2.ドラフトをつける基準線(または基準面)を指定します。
 指定した線を中心にドラフト面が回転します。

 

 

3.抜き方向を指定します。

 

 

4.勾配値を指定します。

 

 

ドラフトをつける際の注意点

 

ドラフトは、フィレットをつける前に作成します。フィレットをつける前と後では作成される形状に差異が発生するからです。

 

 

フィレットを作成した後にドラフトをつける場合、ドラフトの基準がフィレットの稜線部となり、局部的にドラフト値0が発生することになります。このような箇所があると金型から製品を取り出す際にすり傷などの不良につながります。

 

 

 

側面につくフィレット部のドラフト作成には注意が必要です。なぜなら、作成順序により最終形状に差異が発生するからです。

 

1.ドラフト作成後にフィレットを作成

 

 

2.フィレット作成後にドラフトを作成

 

 

ドラフト値のチェック

 モデルのドラフト値をチェックしてみます。カラーコンター図のピンク色部はドラフトがきちんとついており、金型からスムーズに抜ける部分です。※3DCADには、ドラフトチェックができるものがあります。

 

 

 

近年、3Dデータを使った金型製作が一般的になりつつあります。しかし、設計者が3Dデータにドラフトをつけるケースは少なく、金型設計者まかせになることも多いようです。なぜなら、ドラフトは金型設計の要素が絡むから製品設計者では判断できない場合が多々あるからです。ただし、高さがある部分はドラフトがつくことによって、形状が大きく変わります。このような部分は設計検討時にドラフトをつけて、形状が成立するか確認します。

 

 

 
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