モデルの基準の考え方
3Dモデルをゼロから作成する場合、モデルの原点位置を決める必要があります。パラメトリック機能を持つ一般的な3D-CADでは、初期設定で3つの基準平面と座標系が存在します。
この座標系の中心が3Dモデルの基準点となります。
3Dモデルの基準点は、設計基準と一致させるのが一般的です。2D図面のように寸法線が入らないのでどこでもいい、という訳にはいきません。
設計の基準点は、その部品が要求される機能等から決まるものです。
後から変更することは大変な作業となるため、モデリング開始前に3平面に対してどこに基準を置くのか決定する必要があります。
設計の基準点は、以下を考慮して決定されます。
・相手部品と組み合わされる位置
・動く部品であれば、動かす基準位置
・加工を考慮した基準位置
これらを総合的に考慮して、モデルの基準点を決定しますが、部品の形状や用途などによって決まるものであり、一概にここであると言うことはできません。
一例として、以下の組立品(軸受/軸/ボルト)の基準点について説明します。一般的には相手部品と組み合わさる面であったり、円形部品であれば円の中心、機械加工で製作する部品の場合、どの面を基準に加工するのか考慮した位置で決めることになります。
上記が基本的な考え方となりますが、最終的には設計者が決定するものです。
まず、軸受けの基準点ですが、機能面から軸の中心を基準とするのが妥当でしょう。
そして、前後対称の形状であるため、対称となる面を基準とします。
次に軸ですが、
・左右対称の形状であること。
・部品の重心位置であること。
・軸受けとの合わせる位置であること
から、下図の位置に設定するのが良いでしょう。
最後にボルトですが、高さ方向の基準は軸受けとの合わせ面にするべきでしょう。
穴にボルトを挿入する関係から、ボルトの中心軸が基準とします。
以上のように機能面などから考慮して基準位置を決定することになります。
機能的な特徴のない部品であれば、その形状を総合的に見て中心となりそうな位置にします。
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