パラメトリック機能とは
パラメトリック機能とは、フィーチャーが持つ寸法情報、接続情報などを変更することで、形状を変えることが出来る機能のことです。フィーチャーは、「断面」、「寸法」、「方向」など作成時の情報を保持しています。これらの情報は作成後に変更することが可能です。
(例)パラメトリック機能による寸法変更
@ 寸法値を変更します ( 例 : 20mm → 40mm )
2.形状の再計算 (自動で形状が変更される)
パラメトリック機能を持たないCADの場合、右端に形状を新規に追加しなければなりません。 2次元CADではあたり前のように行っていた、消して描きなおすという作業に近い感覚です。
パラメトリック機能を使う際の注意点
パラメトリック機能は機械設計において非常に有効な機能です。
設計初期段階の仕様があいまいな時期に適当な大きさで形状を作成して、仕様の成長に合わせてサイズを変更することができます。 パラメトリック機能は非常に有効な機能ですが、機能を十分に発揮するためには、いくつかのポイントをおさえておく必要があります。
2.親子関係を考慮した作り方にする。
3.作成順序は製造順序に従う。
4.モデルの基準は設計基準とする。
上記の4つのポイントは、パラメトリック機能を持つCADを効果的に使うために、深く理解しておく必要があります。
ポイント1.設計意図を考慮した寸法の入れ方にする。
パラメトリック機能を持つCADで形状を作成する場合、後に想定される変更を考慮した作り方にしておくと、設計変更が容易となります。
例えば、下図に示す2つの穴が開いているプレートにおいて、穴中心の寸法の参照は設計意図によって異なります。 (※設計意図とは、寸法の入れ方や寸法間の関係を形状に入れて、設計情報を関係者へ伝達することです。通常は2次元の図面の中で指示します。)
2つの穴を等間隔に配置したいのか、端から一定の距離で固定したいのか、中心から固定したいのかによって、寸法の入れ方が異なります。
中心から固定した場合
穴の寸法をプレートの中心から取った場合、プレートの幅が大きくなると中心から穴までの距離が一定となります。
端から固定した場合
穴の寸法をプレートの両端から取った場合、プレートの幅が大きくなると、両端からの距離が一定となります。
等間隔に配置した場合
穴の寸法をプレートの幅に対して等間隔に取った場合、プレートの幅に応じて穴の配置が等間隔に移動します。
以上のように、寸法のつけ方によって変更時の穴の配置位置が異なることとなります。このような特性を理解して、設計意図にそった寸法のつけ方により、変更しやすい3Dモデルを作ることができます。つまり、パラメトリックCADとは、形状の中に設計意図を含ませることができるCADであり、機械設計に向いたCADであることがわかります。
ポイント2 親子関係を考慮した作り方にする。
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