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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等

様々な材料の応力ひずみ線図

ここまでの解説で「軟鋼」をベースに応力と歪(ひずみ)について解説して来ました。応力−ひずみ線図は材料によって下図に示すように異なってきます。

 

 

上図をご覧頂くと分かると思いますが、脆性材料(オレンジのライン)は伸びにくいため、破断に至るまでのひずみが小さくなります。一方、柔らかく伸びやすい延性の材料(ブルーのライン)は、破断に至るまでのひずみが大きくなります。

 

脆性材料(ぜいせい)とは、字の通り「脆い(もろい)」材料のことであり、ガラスやコンクリート該当します。金属では鋳鉄が脆性材料にあたります。脆性材料は、殆ど伸びずに破断に至ります。

 

延性材料とは、字の通り「延びる」材料のことであり、アルミニウム、プラスチック、ゴムなどです。金属ではステンレス鋼が延性材料に該当します。延性材料は、十分に伸びた後に破断に至ります。ここまでに解説してきました軟鋼も延性材料に該当しますが、降伏した後に、伸びて破断するという違いがあります。

 

以上のように材料によって、描かれる線図が異なりますので、機械設計をされる際は、これらの機械的特性を良く理解した上で、材料の選定をする必要があります。

 

例えば、SS400などの軟鋼を使った部品の強度計算では、引張強度や降伏強度から許容応力や安全率を決定しますが、ステンレスやアルミニウムには軟鋼のような降伏点が存在しません。

 

このように降伏点を持たない材料の場合、0.2%の残留ひずみが残る状態を破壊と定義して軟鋼の降伏点と同じ扱いをするのが一般的です。0.2%の残留ひずみとは、1000mmの長さの材料の場合、1002mmとなります。荷重を除去した際に元の長さに戻らず0.2%のひずみ (この場合2mm)が残ります。(これは、原子間のすべりが元に戻らないことが原因です。)

 

 

以上より、降伏点を持たない延性材料の場合、荷重を除いた際に残るひずみが0.2%となる時の応力を「耐力」と定義して、材料の強度の目安とされることが多いようです。

 

 

以上、ここまでのページで「応力とひずみ」について詳しく解説してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。

 

 

応力とは、単位面積当たりの力を表します。引っ張り応力以外にも、圧縮やせん断などの応力があります。ひずみとは、元の長さに対する変形量の割合を表します。

 

 

この応力とひずみは、弾性域において比例関係にあり、弾性域における線の傾きを「ヤング率」といいます。ヤング率は材料によって異なり、値が大きいほど材料は伸びにくくなります。使用する部品の材料の応力またはひずみのどちらか一方を知ることで、もう一方を求めることができます。

 

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