静止流体から管内や物体周りの流体、そして流体の測定方法に至るまで、流体力学の基礎が理解できる!流速、流量、流線、剥離などの概念をじっくりと掘り下げ、実際の流体の問題解決に役立つ知識が身につく。
管内の流れと圧力損失
どの様な流れでも、流体の粘性によって摩擦抵抗が作用します。摩擦抵抗は流れのエネルギー損失になります。円管や長方形管内流れの場合、このエネルギー損失を「管摩擦損失」といいます。
例えば、大きな水槽から水平な直管内へ流体が流れる場合、管摩擦損失によって圧力は下流へ向って徐々に低下します。これを「圧力降下」といい、その変化量を「圧力損失」といいます。
圧力損失を Δp、損失ヘッドを Δh で表すと、以下の関係があります。
ここで、ρは流体の密度、gは重力加速度を表します。
また、管摩擦係数をλ、管の直径をd、管の長さをLとすると以下の式になります。
前頁で示したベルヌーイの式は損失のない流れに対するものでしたが、この損失ヘッドを用いることで、粘性摩擦やその他の要因によって生じる損失を考慮した式が導けます。
損失を含むベルヌーイの式はポンプなどを設計する際必要となります。
例えば、流量を調整する弁を通過する流れは、絞りやのど部のある管内流れとなり、「縮流」や「はく離」によって圧力損失 Δp が生じます。
そのため、損失ヘッドを用いて、ベルヌーイの式を利用すれば、ポンプの所要動力などが求められるでしょう。弁の損失は弁の開度や種類によって大きく変化するので、損失係数を利用します。これらは計算で求めることもできますが、一般に規格などで知ることができるものです。
また、管路の入口や出口にも損失が発生します。
入口部で発生する損失を「入口損失」出口部で発生する損失を「出口損失」といいます。
入口損失
図に示すように、水槽から管路に入るときの損失は、次の式で求められます。
ζ(ジータ)は損失係数で、管路の形状や取り付け方によって異なります。
出口損失
管から十分に大きな水槽などに流出する場合に生じる損失は、出口損失と呼ばれ、次の式で求まられます。
ζ(ジータ)は出口損失係数
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