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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等

パスカルの原理

静止している流体に加わる圧力はどこでも等しくなります。例えば、自動車のタイヤの空気圧は、どこを測定ポイントとしても同じです。また、その時にかかる圧力は物体に対して常に垂直です。

 

 

このように静止している流体では、同じ圧力が全てに伝わって等しくなります。これを「パスカルの原理」といいます。(ちなみに動いている流体では、ベルヌーイの定理を用います)
例えば、240kPa(2.4kgf/cm2)の圧力がタイヤにかかっている場合、タイヤのすべての壁面に、1cm2)あたり2.4kgfの力がかかることになります。

 

 

このパスカルの原理の考え方を用いて、小さな力で大きな力を得ることができる「倍力装置」を作ることができます。例えば、自動車のブレーキブースターや油圧ジャッキなどの製品です。

 

図のように小さなシリンダーに力Fを加えたとき、発生する圧力は、圧力P = F1/A1  となります。 (圧力=力÷面積)
発生した圧力Pは、大きなシリンダーへ伝達されます。
例えば、ここで

F1 = 10N (約1kgf)
A1 = 100mm2
としたとき、
発生する圧力Pは、
P = 10/100 = 0.1 [N/mm2] = 0.1[MPa]
となります。

発生した圧力は、大きなシリンダーに同じ圧力で伝わります。

このとき、大きなシリンダーを持ち上げる力F2は、次の式で求められます。
F2 = P×A2
 = 0.1 [N/mm2] × 200 [mm2] = 20 [N]
以上のように、断面積が2倍となり、力は入力値の2倍に増やすことができました。

ここで、シリンダー内の流体が非圧縮性流体の場合、発生する力は2倍となります、押し上げる距離は、1/2になります。

つまり、大きな力を得る代わりに、押し込む距離が増えるということになります。

 

 

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