静止流体から管内や物体周りの流体、そして流体の測定方法に至るまで、流体力学の基礎が理解できる!流速、流量、流線、剥離などの概念をじっくりと掘り下げ、実際の流体の問題解決に役立つ知識が身につく。
様々な流れ
定常流と非定常流
時間変化のない流れを「定常流」といいます。定常流では、「流量・流速・圧力」などの物理量は時間によらず一定となります。例えば、容器に流れ込む水の量Q1と流れ出す水の量Q2が同じである場合が定常流となります。
一方、流れ込む水の量Q1が流れ出す水の量Q2より小さい場合、時間と共に「流量・流速・圧力」などの物理量が変化します。このような流れを「非定常流」といいます。
また、非定常流は、水面に出来る波のように速度と圧力などが周期的に変化する「振動流」
水道の水を流し始める時のように、流れがある状態から別の状態へ移行する過程の流れである「過渡流」があります。
一様流と非一様流
物体の周りの流れを検討する場合、速度ベクトルが一定の流れの中で考えることが多いです。例えば、自動車や電車などの乗り物が受ける空気力を評価する風洞実験です。
風洞実験では、物体が流れから受ける影響を調べるため、「一様流」という、速度ベクトルが一定の流れを作ります。その中に物体を設置して、流れの可視化を行います。
さて、この流れの中に物体を置いた場合、物体後ろ側では、流れが乱れ、速度ベクトルが一定方向以外にも存在します。このように、速度ベクトルが変化する流れを「非一様流」といいます。
渦
ある点のまわりを回る流れを「渦」といいます。ペットボトルの中身を排水するさいにこの現象を見ることができます。
層流と乱流
流れには「層流」と「乱流」の2つの状態があります。前項で説明したレイノルズ数によって整理することができます。レイノルズ数が小さい場合が層流、大きい場合が乱流、そして、層流から乱流に移行する流れを「遷移」といいます。
イギリスの科学者であるレイノルズは、ガラス管内にインクを流し、流れを可視化しました。管内の流れが遅い場合は、インクの流れは A のように乱れず安定します。しかし、流れが速くなると、C のように乱れて乱流となります。
このとき以下の式に依存することをレイノルズは発見したのです。
ν:流体の動粘度,U:流れの代表速度,d:管の直径
つまり、上記の式からわかることは、「速度が大きい」・「管の直径が太い」・「動粘度が小さい」とレイノルズ数が大きくなるため、乱流になりやすいということです。
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