静止流体から管内や物体周りの流体、そして流体の測定方法に至るまで、流体力学の基礎が理解できる!流速、流量、流線、剥離などの概念をじっくりと掘り下げ、実際の流体の問題解決に役立つ知識が身につく。
圧力の基礎
私たちの生活の中には、圧力を活用した様々な製品が存在します。
例えば、ポンプ、シリンダー、コンプレッサー、タービンなどは、圧力を原理とした機械製品です。ここでは、機械設計で必ず理解が必要となる圧力に関する基礎を解説します。
圧力とは
圧力とは、単位面積に対して垂直に働く力のことです。
床の上に置かれた荷物によって働く圧力は、「かかる力」を「受ける面積」で割って求めることができます。
例えば、下図のように同じ重量を持つ荷物であっても、受ける面積が異なると、圧力も異なります。
圧力の単位
圧力の単位には、Pa (パスカルと読みます) が使われます。
Pa(パスカル)と言われても、ピンと来ないですよね。
昔の圧力の単位は、kgf/cm2 であったため、感覚的に理解しやすかったのですが、1982年に計量法改正があり、日本でも、国際単位系である Pa が一般的に使われるようになりました。
「圧力計」の単位も、Pa表示が標準となっていますのでPaに慣れる必要があります。
1Pa とは、1平方メートル (m2) の面積あたりに1ニュートン (N) の力が作用したときの圧力となります。
1 Pa = 1 N/m2
Pa(パスカル) や N(ニュートン)は、国際単位系であり、イメージしにくいですね。
そこで、以前に使用されていた工学単位系である、kgf に換算すると、9.8 N = 1 kgf であるため、
1 Pa = 1 N/m2 ≒ 0.1 kgf/m2 となります。
1 Paは、1 m2の床の上に「りんご(約100g)」おかれているくらいの力がかかっていることを示しています。
このように表現してみると、1Paとは非常に小さな圧力であることがわかります。そして、実際の設計では、もう少し大きな圧力が使われるケースが多いです。
例えば、
- 自動車のタイヤの空気圧は、240 kPa
- 水道管の圧力 〜1 MPa
- 蒸気機関車の蒸気圧は、1.6 MPa
のように、kPa やMPa と大きな圧力が加わります。
1 [kPa] = 1,000 [Pa]
1 [MPa] = 1,000,000 [Pa]
以上のように、実際の設計ではMP(メガパスカル)が良く使われますので、「1 MPa」という圧力を感覚的に理解しておくと良いでしょう。
1MPaを昔の圧力の単位である kgf/cm2 に換算すると、途中の計算式は割愛しますが、以下のようになります。
1 MPa = 10.197 kgf/cm2
1cm2の面積に約10kgfの力がかかったときが、1MPaとなります。
MPa から kgf/cm2に換算する場合、約10倍 となります。これはよく使うため記憶しておきましょう。
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