静止流体から管内や物体周りの流体、そして流体の測定方法に至るまで、流体力学の基礎が理解できる!流速、流量、流線、剥離などの概念をじっくりと掘り下げ、実際の流体の問題解決に役立つ知識が身につく。
粘性流体と非粘性流体
「粘度と動粘度」 で説明しました粘性は流体の重要な性質の1つです。そして、この粘性の有無によって流体を分類することができます。
- 粘性がある流体を 「粘性流体」
- 粘性がない流体を 「非粘性流体」
といいます。
実在する流体はすべて粘性を持っているため、厳密には非粘性流体はない といえます。(ただし,極低温の液体ヘリウムは粘性のない超流動状態になるため、これは例外として考えています。)
しかし,実用上は粘性の有無ではなく,粘性の影響の大小により分類し、粘性を考慮する必要がある場合に「粘性流体」、粘性の影響を無視できる場合を「非粘性流体」として扱っています。
粘性を無視できる場合には数学的処理が非常に楽になり、非粘性流体として扱うメリットは大きいのです。
ニュートン流体と非ニュートン流体
水やオイルなど不純物のない流体のほとんどはニュートン流体です。そして、ニュートンの粘性法則が成り立たないような流体はすべて「非ニュートン流体」といい、様々な種類があります。
ニュートン流体と非ニュートン流体は、粘度と動粘度 で示した
の 「ニュートンの粘性法則」 が成り立つかどうかによって分類することができる。
ニュートン流体 | 非ニュートン流体 |
---|---|
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非ニュートン流体には、
- 生クリームや練りハミガキなどの「ビンガム流体」
- 粘土やアスファルトなどが属する「塑性流体」
- 高分子溶液などの「擬塑性流体」
- 砂と水を適当な比率で混合したものなどの「ダイラタント流体」
があります。
非ニュートン流体は変形の速度(せん断速度)によって粘性が変化します。下図のようにニュートン流体は、せん断速度が変化しても粘度は一定ですが、非ニュートン流体は、粘度が下がったり、上がったりします。
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