静止流体から管内や物体周りの流体、そして流体の測定方法に至るまで、流体力学の基礎が理解できる!流速、流量、流線、剥離などの概念をじっくりと掘り下げ、実際の流体の問題解決に役立つ知識が身につく。
密度と比重量と比重の違い
流体力学を学ぶにあたって、流体に関する基本的な性質である「密度」「比重量」「比重」などについて理解しておく必要があります。
密度とは
私たちが普段よく耳にする密度は、人口密度です。
「人口密度」は、単位面積1 km2当たりに居住する人の数です。
例えば、日本では、東京が最も人口密度が高く6168人/km2、北海道が最も低い68人/km2となっています。
※2015年国勢調査
そして、物質の密度とは、単位体積あたりの質量 のことです。
物質の密度ρは、「質量」を「単位体積」で 割った値 となり、以下の式で求めることができます。
ここで、質量をM、体積をVです。 密度の単位には、kg/m3 や g/cm3 が使われます。
鉄の密度は、7874 kg/m3 、アルミの密度は 2700 kg/m3、水の密度(4℃の時)は1000 kg/m3です。
また、密度は物質の状態によって変化します。
例えば、水が氷に変化すると、体積が大きくなりますが、密度は小さくなります。
水の入ったコップに氷を入れると、水に浮かびます。これは氷の方が密度が小さいからです。
つまり、密度は状態量を示し,物質の「種類」や「温度」そして「圧力」によっても変化します。
比重量(ひじゅうりょう)とは
比重量とは密度と似ていますが、
「密度」が、単位体積あたりの「質量」であることに対して、
「比重量」は、単位体積あたりの「重量」を表します。
以下の式で求めることができます。
ここで,重量はGで表します。この重量Gは質量Mに重力加速度gをかけたものです。
1kgの質量の地球での重量は1kgfであるため、密度と比重量は同じ値 となります。
「質量」は物質のそのものが保有する量のことです。砂糖 1g 、水 1kg など
「重量」は物質に働く重力の大きさのことです。
地球には重力(引力)が働いています。月にも引力が働いていますが、地球の1/6の力です。
従って、
■ 地球上では、 水1kg の質量は 1kg 、 重量は 1kgf
■ 月では、 水1kg の質量は 1kg 、 重量は 1/6kgf
質量は物質そのものが保有する量なので、地球でも月でも同じ値となりますが、重量は、その物体にはたらく重力の大きさとなりますので地球で60kgfの体重の人は月では10kgfになるということです。
比重(ひじゅう)とは
比重とは、ある物質の密度と、4℃の水の密度との比のことです。
例えば、鉄の密度は、7874 kg/m3 水の密度(4℃の時)は、1000 kg/m3 であるため、
鉄の比重は次の式で求められます。
比重が1より大きい場合、水に沈み
比重が1より小さい場合、水に浮かびます。
比重は、水に対する比であるため、単位が存在しません。
物質名 |
比重 |
---|---|
真鍮 |
8.4 |
ステンレス(SUS304) |
7.9 |
鉄(SS400) |
7.8 |
鋳鉄(FC300) |
7.3 |
アルミ合金 |
2.7 |
マグネシウム合金 |
1.8 |
ABS |
1.2 |
PC |
1.2 |
水 |
1 |
PP |
0.9 |
密度、比重量の単位をg/cm3 で表したとき、密度=比重量=比重となります。
・ 鉄の密度 7.8 g/cm3
・ 鉄の比重量 7.8 gf/cm3
・ 鉄の比重 7.8
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