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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等


工程設計

 

工程設計とは

 

工程設計とは図面を具現化することで、素材から製品へ変換する全体的な生産工程、つまり、「モノの作り方を設計する作業」 のことです。加工方法、加工順序、加工機械を決めることで、部品の仕様、コスト、納期を満足させることができ、良い工程設計と言えるのです。

 

 

あらゆる加工法の可能性の検討とは、早く効率の良い方法、中間仕掛品(加工途中の製品)が減らないかどうか、工程バランスが更に良い方法はないかを考えることです。

 

加工法や加工順序の選択

 

加工法の選択

 

所有している生産設備の扱える

 

  • 寸法範囲
  • 経済性
  • 仕上面粗さ
  • 寸法精度

 

を事前に調査しておく必要があります。これらを怠ることで、3-1. で説明した設計の主目標に悪影響を及ぼすことになります。
そのため、日常の生産活動において所有設備のデータを管理しておく必要があります。また、機械は工具とともに使用されるものであるため、その工具によっても性能は大きく左右されることを留意しておく必要があります。

 

 

加工順序の選択

 

加工順序の選び方によって、部品の品質や納期、運搬コストが大きく変わってきます。そのため、入替え可能な工程に関しては、工程の代替案を示すことで、最適な順序を得ることができます。この場合、以下の方法を利用することが便利です。

 

・動的計画法

 

動的計画法は、生産の始点から製品となる終点までの経路のうち、最短経路を短い計算時間で算出することができます。時間やコストなど、様々な変数で考えることができる方法です。この方法は、最適性の原理を基本としています。最適性の原理は「最初の状態と最初の決定がどのようであっても、残りの決定は最初の決定の結果生じた状態に関して最適方策となってはいけない」というものです。

 

・分岐限界法

 

分岐限界法は、大きな問題を複数の問題に分解する分岐操作と、与えられたつまり分岐された小問題の下界値を計算する限界操作の手続きより成立しています。

 

 

工程設計

 

さきほど、加工順序は工程設計において重要であることは説明しました。そこで、次にここでは加工順序の決定法の基本を説明します。

 

 

作業の種類

 

加工を行う場合、部材の切断・成形、仮付け・組立、接合・熔接、機械加工の工程が必要となります。これらの工程に現れる作業の一つの分類法を以下に説明します。

 

No

 

工程

作業内容

@

準備作業

Bに示す重要加工作業のための準備を行う作業のことです。例として、工作物を工作機械に取り付けたり、バリの除去作業やひずみや残留応力を除去するなどの作業が含まれます。

A

一般加工作業

Bに示す重要加工作業や@に示した準備作業に含まれない、単純に素材形状を図面形状に近付けるための作業のことです。例えば切断や成形が挙げられます。

B

重要加工作業

寸法公差や形状公差、仕上面粗さなどが要求される作業です。これは部品を使用する製品の機能や品質に重要な影響を及ぼす部分の加工作業です。

C

保護作業

これは、防錆処理や部品に傷がつくことを防ぐために塗装やコーティング、梱包するなどの作業を指します。つまり、生産に直接関係のない作業あるため、商品価値を上げるための塗装など、図面に指示された作業は保護作業には含まれず、一般作業といいます。

 

工程設計11の原則

 

工程設計を行う場合、次のページのの原則があります。

 

 
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