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機械設計エンジニアの基礎知識 | 設計・3DCAD・製図・金型等

寸法公差の入れ方

寸法公差とは

 

「寸法公差」 とは、図面の寸法に対しての許される誤差の範囲のことです。

 

日本の標準規格であるJIS規格においては、かつて「寸法公差」という用語が用いられていましたが、現在では「サイズ公差」という用語に変更されました。この変更は、2016年にJISが改訂された際に行われたものですが、現場では寸法公差という言葉がよく使われているため、ここでは寸法公差という用語で説明しています。

 

部品を加工する際、厳密には図面の寸法通りに製作できません。

 

加工の条件やその時の気温や素材など様々な要因により、実際の寸法はバラツクことになります。

 

例えば、直径 50 mm の軸を加工で製作した場合、50mmピッタリと加工することはできません。

 

必ず50mmより少し大きいか、もしくは小さくなります。

 

 

 

 

従って、実用性に問題が出ないように寸法の 「最大値」 と 「最小値」 を決める必要があります。

 

この実際の寸法の 最大値 と 最小値 の差が公差となります。

 

直径 50 mm の軸 の公差を次のように設定した場合、
最大で50.1 mm 最小で49.9mm の範囲で制作してくださいね、ということになります。

 

 

上図のように、50mm は制作する際の基準となる寸法なので 基準寸法 といいます。
これに対して、最大値と最小値の寸法を、それぞれ上の寸法許容差 下の寸法許容差 といいます。

 

 

公差の書き方

 

公差は基準となる寸法の横に記入します。
例では、基準寸法が 50 であり、上限値が +0.1 下限値が -0.1 となります。

 

 

 

 

上限値と下限値の値が異なる場合は、上付きの小文字と下付きの小文字で記入します。
上下に公差を記入する場合は、小数点以下の桁数をそろえて記入します。どちらか一方が0の場合は、小数点以下の桁数をそろえず 0 と記入します。

 

 

 

なぜ公差が必要となるのか

 

公差の目的は 加工のバラツキの許せる範囲を設定して、不良品を排除することにありますが、その先にある真の目的は部品がきちんと機能するかということです。

 

公差が設定される寸法は、「相手部品」 が存在します。

 

相手部品と組み付くことで、機械や製品が機能しなければなりません。

 

下図のように、公差の設定を間違えると、軸の直径が穴の直径より大きくなり、組み立てることができないケースが発生します。

 

 

 

寸法が大きすぎたり、小さすぎたりすると、部品が組み付かなかったり、逆に組み付いても緩くて外れたりします。そうならないように組み付け部の寸法には適切な公差設定が必要となります。

 

 

普通公差とは

 

寸法に公差を設定しない場合の寸法公差を 普通公差 といいます。
普通公差では、公差の指示がないため、基準中心に対して以下の表に示す公差を適用することになります。

 

次の表は長さ寸法に対する普通公差の表となります。

 

例えば 50mm の場合の普通公差は中級で ±0.3 ということになります。

 

 

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