図面の尺度
図面を描く際には、決まった図枠サイズ内に対象物を収める必要があります。
そのため、大きな対象物は縮小して作図、小さな対象物は拡大して作図します。
例えば、建設機械の大型の外装部品は、最も大きなA0サイズの図枠にも収めることはできません。当然、実物を縮小して表現することになります。
拡大、縮小する尺度の種別は以下の3種類となります。
・現尺
・倍尺
・縮尺
現尺は、実物と同じ大きさで作図します。
倍尺は、実物より大きく作図します。小さな部品等を見やすく表現するために用います。
縮尺は、実物より小さく作図します。
一般に実物と同じ大きさである現尺を用いるのが原則です。
図面と全く同じ大きさなので見る人もイメージが湧きやすく、読み違いを防止できます。大きすぎたり小さすぎたりして図面に収まらない場合に倍尺や縮尺を用います。倍尺や縮尺を用いる場合、その値がJISにより規定されています。通常は以下に示す尺度を利用します。
種別 |
尺度 JIS Z 8314 |
---|---|
現尺 |
1:1 |
倍尺(1) |
2:1、5:1、10:1、20:1、50:1 |
倍尺(2) |
√2:1 2.5√2:1 100:1 |
縮尺(1) |
1:2、(1:3)、(1:4)、1:5、1:10、1:20、1:50 |
縮尺(2) |
1:√2 1:2.5 1:2√2 1:3 1:4 1:5√2 1:25 1:250 |
2:1 とは 2/1 のことです。従って実物の2倍の大きさで作図されているということです。
以前は2/1のように分数表記でしたが、ISO規格となり2:1という表記に変更されました。
尺度は原則、上表の24種類から選択することになります。
実例
例えば1:50 の尺度の図面は、実際の長さを1/50にします。
実物高さ2mのフォークリフトの場合、1:50 で表現すると、
2000 X 1/50 = 40 mm
(2m = 2000mm)
図面では高さ寸法を 40 mm で表現することができます。
あなたは製図についてこのような不安がありませんか?
「何から描いていいのかわからない・・・」
「寸法はどう入れるの?図面記号の意味がわからない・・」
すべての「モノ」は図面をベースに作られます。
そのため、設計者にとって製図は必ず身につけるべき重要スキルです。
もし仕事を進める上で、誤った指示の図面を描いてしまうと・・・
× 読み間違いによるミスが発生する
× 加工費が高くなる、メンテナンスができない
といったような、さまざまな問題を引き起こしてしまいます。
このような問題を引き起こさないためにも
「若手設計者」は、まず最初に製図スキルを身につけることが求められます。
ただ、製図は大学で学ぼうと思うと数十時間かけて学ぶため
初心者が基礎からすべてを学ぼうと思うと現実的に無理があります。
そこで、ものづくりウェブでは、
初心者でも "短期間でやさしく学べる" 動画講座(eラーニング)を制作しました。
こちらはすでに700名以上の方が受講され、
200社以上の法人様が採用している、実績のある人気講座です。
こちらの講座を学ぶことで
○ 平面から立体へ、立体から平面へ図形を想像できる
○ 日本産業規格JISで規定されたさまざまな記号の意味を理解できる
○ 設計意図に応じて適切に寸法や公差、各種記号を部品図に配置できる
といった、さまざまな効果が期待できます。
<お客様の声>
■ R・F様(30代男性)「商用車用廃棄系触媒コンバータ」の設計
悩み
問題があまりない箇所と苦手な箇所があるので、製図の基礎固めをしたかった。幾何公差、溶接が多く使われていて、かつ、苦手意識もあったため解消したかった。
成果
製図の基礎固めができた。苦手意識があり、多く使われていた幾何公差および溶接についても図が多く使われていたためイメージがわきやすく、理解できました。
■ K・I様(50代男性)「電子部品の組立・検査治具」の設計
悩み
40歳になって初めて製図業務に携わり、周りに誰も図面を描く人がいないまま、独学で図面を書いていたので、何が正しいのかがわからない状況で不安がありました。
成果
今まで理解ができなかった、寸法公差や幾何公差、表面性状についてよく分かりました。
■ S・N様(20代女性)「住宅機能金物関係」の設計
悩み
適切な三面図配置や寸法の入れ方が分からない。公差を検討する際に、何に着目すればよいか分からない。
成果
練習問題を解く中では解決できた。「ここを見ればこれが分かる」といったバイブルができた。
こちらは、お客様の声の一部ですので詳しくは案内ページをご覧ください。
▼ 超初心者向け 【eラーニング】
「"知識0"まったく習ったことがない方でも手書きの図面が描けるようになる」
→ 機械製図超入門講座