図面の必要性
「なぜ、図面が必要なのでしょうか?」
このような本質的な質問はとても重要です。
現代では、3D-CADや3Dプリンターを使えば、2次元の図面を描かなくてもCADから出力したデータで直接部品を製造できる時代となりました。しかし、品質の良い部品を製造するためには図面に入れる公差などの情報がかかせません。
図面は「情報伝達」をするために必要です。
丸や三角のような単純な形状であれば、口頭で伝えることは可能でしょうが、実際の複雑な部品形状を正確に口頭で伝えるには無理が生じてくるでしょう。
従って、図面はお互いに正確な形状を伝達しあうために必要なのです。図面があればさまざまな情報を共有することができるようになります。
しかし、この図面は好き勝手に描いてはなりません。図面を描くときはルールに従います。ルールを無視して、それぞれが勝手に作成すると認識にズレが生じてしまうからです。図面のルールについては、日本産業規格(JIS)の製図法で定められています。
「日本工業規格(JIS)」 が 「日本産業規格(JIS)」 に変わりました。
(令和元年7月1日施行)
日本産業規格(JIS)の製図法の規定に従って描いた図面であれば、関わる人達が共通で認識することができます。
図面を証拠として残す
図面にはもう一つの重要な役割があります。
それは設計に関わる人同士が確認した「証拠」という役割です。
図面には、最終的に決定したさまざまな設計情報が残ります。決定事項を証拠として残すことは非常に重要です。
一般的に図面の右下あたりに承認欄があり、誰がその図面を描いて、チェックして、承認したのかが分かるようになっています。
図面のチェックや承認を行うのはベテランの設計者です。ベテラン設計者のチェック及び承認によって図面の品質が保たれます。
承認欄には下図に示すように作成者、検図者、承認者の印鑑を押すのが慣例です。
図面に変更が発生した場合も同じような手順を踏みます。
図面内にある変更事項欄に変更内容と変更した日付、変更者の氏名を記入します。。
図面は承認欄に印鑑が押された状態をもって完成となります。
押印がされた図面は 「これで制作しても良いですよ」 という正式な契約書のようなものです。
従って、印鑑のない図面は正式なものではありません。印鑑が押されて初めて正式なものとして社外などへ出図ができます。
また、正式でない図面を社外へ出図することもあります。その場合は、必ず正式でないことが分かるように図面内に大きく記載します。
例えば、業者に完成前の図面を出図して意見をもらいたい場合などです。このような場合は、図面内に 「検討用図面」など と記載して、後に正式な図面と間違わないようにすることことが大切です。
以上のように、図面は「設計情報の伝達する」、「作成した履歴を保存する」という重要な役割を持っています。
あなたは製図についてこのような不安がありませんか?
「何から描いていいのかわからない・・・」
「寸法はどう入れるの?図面記号の意味がわからない・・」
すべての「モノ」は図面をベースに作られます。
そのため、設計者にとって製図は必ず身につけるべき重要スキルです。
もし仕事を進める上で、誤った指示の図面を描いてしまうと・・・
× 読み間違いによるミスが発生する
× 加工費が高くなる、メンテナンスができない
といったような、さまざまな問題を引き起こしてしまいます。
このような問題を引き起こさないためにも
「若手設計者」は、まず最初に製図スキルを身につけることが求められます。
ただ、製図は大学で学ぼうと思うと数十時間かけて学ぶため
初心者が基礎からすべてを学ぼうと思うと現実的に無理があります。
そこで、ものづくりウェブでは、
初心者でも "短期間でやさしく学べる" 動画講座(eラーニング)を制作しました。
こちらはすでに700名以上の方が受講され、
200社以上の法人様が採用している、実績のある人気講座です。
こちらの講座を学ぶことで
○ 平面から立体へ、立体から平面へ図形を想像できる
○ 日本産業規格JISで規定されたさまざまな記号の意味を理解できる
○ 設計意図に応じて適切に寸法や公差、各種記号を部品図に配置できる
といった、さまざまな効果が期待できます。
<お客様の声>
■ R・F様(30代男性)「商用車用廃棄系触媒コンバータ」の設計
悩み
問題があまりない箇所と苦手な箇所があるので、製図の基礎固めをしたかった。幾何公差、溶接が多く使われていて、かつ、苦手意識もあったため解消したかった。
成果
製図の基礎固めができた。苦手意識があり、多く使われていた幾何公差および溶接についても図が多く使われていたためイメージがわきやすく、理解できました。
■ K・I様(50代男性)「電子部品の組立・検査治具」の設計
悩み
40歳になって初めて製図業務に携わり、周りに誰も図面を描く人がいないまま、独学で図面を書いていたので、何が正しいのかがわからない状況で不安がありました。
成果
今まで理解ができなかった、寸法公差や幾何公差、表面性状についてよく分かりました。
■ S・N様(20代女性)「住宅機能金物関係」の設計
悩み
適切な三面図配置や寸法の入れ方が分からない。公差を検討する際に、何に着目すればよいか分からない。
成果
練習問題を解く中では解決できた。「ここを見ればこれが分かる」といったバイブルができた。
こちらは、お客様の声の一部ですので詳しくは案内ページをご覧ください。
▼ 超初心者向け 【eラーニング】
「"知識0"まったく習ったことがない方でも手書きの図面が描けるようになる」
→ 機械製図超入門講座
▼ 設計者・加工者・測定者向け 【eラーニング】
「若手技術者でも"実践的な幾何公差の使い方・考え方"が身につく」
→ 幾何公差入門講座