曲げモーメントとは
曲げモーメントとは、物体を曲げようとした時に物体内部で発生するモーメントの大きさを示す値です。
例えば、図1のような状態にある物体に力を加えても曲げモーメントは生じません。
しかし、図2のような状態にある物体に力を加えると曲げモーメントが生じます。
曲げモーメントを求めるには、物体に働く力(単位はN)とその支持点からの長さ(m)を掛けることで求めることが出来ます。
曲げモーメント=力(N)×長さ(m)
曲げモーメントの単位は、N・mです。
また、物体が曲がるには、曲げモーメントが両側に働く必要があります。下図のように片側だけですと、回転してしまいます。
図のように物体の片側を固定すると、両側に曲げモーメントが加わります。それぞれ反対の回転方向のモーメントが働くことになります。
さらに、曲げモーメントには、計算を行う上で、正(+)と負(-)の方向があります。上向きに曲がる(反り上る変形)場合の曲げモーメントを正(+)、下向きに曲がる(反り下がる変形)の場合の曲げモーメントを負(−)としています。
正負は計算するときの方向なので、曲げモーメントを理解するためには、必要ありません。
曲げモーメントは、建物の梁や機械のシャフトなどが荷重によって曲げられた際に生じる応力や変形を解析するために使用されます。
曲げられた際に生じる応力のことを「曲げ応力」といいます。
曲げモーメントから曲げ応力を計算する方法は、
曲げ応力 = 曲げモーメント÷断面係数 で求めることが出来ます。
断面係数は、物体の断面の性能を表す係数です。断面積ではありません!
断面積と同様に断面の寸法から求めることができます。
断面係数の計算は、公式を使えばカンタンに求めることができます。
例えば、長方形断面の場合、断面係数Zの公式は次のようになります。
計算した断面係数の値が大きければ、物体が曲がりにくいと言えます。
これは断面積と同様ですが、断面係数の場合、幅と高さで曲がりにくさに及ぼす影響が異なります。公式をみるとわかりますが、高さは2乗になっているので高さの方が効いてきます。
なお、建築や設計で良く使われるH鋼やアングル材の場合は、規格サイズ表に断面係数が記載されている場合がありますので、計算しなくてもよい場合があります。
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