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焼入れとは

焼入れという言葉の語源は、鍛冶屋さんの職人の間で使用されていた言葉で、刀や刃物などの金属製品を製造する際に使用される技術のことを指します。

 

具体的には、金属を高温に加熱し、急冷させることで、金属の「硬さ」増し、強度や耐久性を高める加工技術です。

 

 

映画やドラマの中で、「焼きを入れたろうか!」といった怖いフレーズが使われることがありますが、これは「痛い目に合わせる」という意味があると思われます。

 

ただし、実際の焼入れとは関係がありません。鍛冶屋さんが作業中に気が緩んだりしている状況などで、「もう一度集中して仕事をしよう」という意味で使われるフレーズです。しかし、このフレーズが鍛冶屋さんが使う「焼入れ」という言葉からきていることは、一般的に言われています。

 

焼入れの方法

焼入れは、鋼を高温に加熱して鋼の組織の構造が変化する点以上の温度(変態温度)にします。そして、その温度を一定時間においた後、急速に冷却します。

 

 

英語では、hardening(ハードニング)つまり硬くする、あるいはQuenching(クエンチング)つまり急冷するともいい、要するに高温に温めたあと、急冷させて、鋼を硬くすることを目的としている熱処理です。JIS規格ではHQという記号で指示されます。

 

ここで簡単に鋼について説明します。鋼は皆さんがご存知の「」から作ります。鉄は柔らかいので炭素などを加えて硬くします。そして、鋼の硬さの程度は、その鋼の内部に含有されている炭素量によって決まります。

 

また、炭素だけでなく、クロムなどの合金元素によっても硬さに違いが生じます。

 

鋼合金の種類によって必要な冷却方法が異なる理由

鋼合金の種類によっては、適切な冷却を行わなければ、所望の硬さを得ることができないことがあります。

 

例えば、焼入れ性が良い鋼の種類では、冷却媒体を選ぶ必要がありません。空気や油などの冷却媒体でも十分です。

 

一方で、焼入れ性が悪い鋼の種類では、水などの冷却能力が高い媒体で冷却を行わないと、目的の硬さを得ることができない場合があります。

 

 

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