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浸炭焼入れとは

浸炭焼入れとは、炭素を含む割合の少ない金属の表面を熱処理する方法で、炭素を表面に浸透させて硬い層を作ることができます。通常、炭素量を増やすと、金属は硬くなり、摩耗に強くなりますが、同時に“もろくなる”ことがあります。

 

 

しかし、浸炭焼入れを適切な条件で行うことで、金属の表面を硬化しながら、中心部は柔らかくしたり、表面と中心部の硬さをバランス良く調整したりすることができます。これにより、金属の耐久性を高めることができます。

 

浸炭焼入れの方法は大きく3種類あります。
それは、ソルト浸炭、ガス浸炭、真空浸炭です。

 

・ソルト浸炭

 

ソルト浸炭とは、「ソルト液」の中に金属を浸して加熱し、金属の表面を硬くする処理方法です。なお、ソルト液とは、塩化カリウム、塩化ナトリウム、などを原料とする薬品を加熱融解して作る液のことです。
この方法は、ソルト液が液体であるため、金属の表面に均一に加熱が行われ、歪みが少なくなります。つまり、金属が均等に硬くなるので、加工後の品質が高くなります。

 


写真出典:株式会社Cominix

 

・ガス浸炭
ガス浸炭とは、鋼材を特殊なガスに入れて熱することで、表面を硬くする処理方法です。もっとも普及している浸炭焼入れ方法です。

 

・真空浸炭方法
最後に、真空浸炭方法です。真空化した炉内に、アセチレンガスを注入することで、熱分解によって発生する活性炭素を鋼材の表面に浸炭させる方法です。

 

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