はすば歯車とは
はすば歯車とは、歯筋が軸に対して斜めになっている歯車をいいます。ヘリカルギヤ(Helical Gear)とも呼ばれ、図面上では、「斜歯歯車」と記載されている場合もあります。
はすば歯車の歯スジの傾きは、回転を伝える側の駆動歯車と、伝えられる側の被動歯車では逆になります。
その歯スジの傾き方向は、歯スジを正面から見て、右肩上がりの場合を「右ねじれ」といい、逆に左肩上がりの場合を「左ねじれ」と呼びます。
はすば歯車は平歯車と比べ、歯車が噛み合う際の振動や騒音が少ないといったメリットがあります。
その理由は、歯が断続的に噛み合う平歯車と違い、はすば歯車の歯が少しずつ滑らかに噛み合っていくため、振動が抑えられることです。
また、常に複数枚の歯が噛み合っている状態である為、歯の当たり面が大きくなり、荷重が分散されます。そのため、平歯車に比べて高い荷重を受ける事ができます。
一方で、はすば歯車のデメリットは、歯筋が軸に対して斜めになっているため、駆動歯車から加えられる荷重は、被動歯車の回転方向だけでなく、軸方向にも働いてしまいます。
この、軸方向の力(スラスト荷重又はアキシアル荷重)が、軸に大きな負荷をかけるため、それを支えるためにアンギュラボールベアリングやテーパーローラーベアリングといった複雑な軸受が必要になってしまいます。さらに、ギアの製造コストも平歯車に比べて高いため、高価になってしまいます。
しかし、はすば歯車は平歯車より音振性能に優れ、高回転や高トルクでも使用に適している利点を活かして、減速機や変速機で多く用いられています。
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