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偶力とは

偶力とは、物体に働く力のうち、同じ大きさで逆方向の力が、同じ直線上に作用していない状態で働いている力を指します。

 

 

具体的には、二つの力が同じ大きさで逆向きに働くとき、その力は互いに打ち消し合い、物体に働く力の和はゼロとなります。

 

 

しかし、その2つの力の向きが、平行で交わらない場合は、モーメントの釣り合いは0にはなりません。つまり、物体は移動せずにその場で回転し始めることになります。この状態を偶力が働いている状態と考えます。

 

 

身近な偶力は、コマを手で回際にも感じることができます。コマの軸を指で回す時に、上手く軸に偶力が作用すれば、コマは横に飛んで行ってしまわずに、その場に留まり回り続けます。

 

 軸に偶力を掛けるときれいに駒が回る

 

その他にも、電気モーター内部にあるローターも、スターターコイルからの磁力が偶力となり、回り続けます。

 

 

このように、偶力は身の回りに多く存在しているのです。そのため、偶力は物理学や工学だけでなく、スポーツの分野でも物体のつり合いや回転の解析に加えて、最適な力を伝達させる為の体勢の評価などにも利用されています。
ちなみに偶力が、ある物体をどの程度回転させようとしているかを、偶力のモーメントとして「偶力の大きさと偶力の垂直間距離の積」で求めることが出来ます。

 

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