基準面とは

基準面とは、図面の寸法の起点となる面のことを指します。機械製図では、ある部品の形状や位置を表すときは、この基準面を決めて寸法を指示する事になっています。

図面上に基準面はなくても問題ないように感じるかもしれませんが、基準面がない場合には以下のトラブルの原因となります。

（１）設計者が意図した箇所とは異なる場所に誤差の累積が生じてしまう。
機械加工では、通常、図面上の寸法通りに製作できない場合があり、微小な誤差が生じます。そのため、基準面がない場合、加工者の意図や加工順序によって誤差が累積してしまい、意図した寸法に仕上がらない不具合が発生する可能性があります。

（２）図面が読みづらくなり、加工者が寸法を誤って読み取ることがある。
基準面があることで、図面はすっきりとした見た目になります。基準面がない場合、図面上の寸法を誤って読み取ってしまう可能性が高まります。

まとめ

適切な基準面を設定することで、機械加工時に生じる微小な誤差を許容範囲内に収め、高品質かつ精度の高い製品を組み立てることが可能となります。そのため、基準面の設定は製品の正確性や信頼性に大きく関わる重要な工程であり、適切な設計と生産のためには欠かせない要素となっています。

また、加工する部品が「既存の機械」や「設備」に合わせる必要がある場合や、複数の企業がそれぞれの部品を製作して最終的に組み合わせて完成する製品の場合、基準面の位置を適切に決定することが非常に重要です。

以上のように機械加工される部品には、製品の機能、加工、組み立てなどを考慮して基準面を決める必要があります。より詳しく学ぶには、切削部品の設計手法について理解が必要です。詳細は弊社が提供する「切削部品設計入門講座」を参照ください。

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